インディーゲームを中心としたPCゲームプラットフォーム「itch.io」で7月4日より、米国の中絶基金への寄付を募るバンドル「Indie Bundle for Abortion Funds」が販売開始された。初期の目標金額5万ドルを達成し、現在は目標金額を20万ドルとしている(こちらもすでに達成済み)。
「Indie Bundle for Abortion Funds」は開発者のCaro Asercion 氏が主催し、604人のクリエイターによる792種のビデオゲーム・ボードゲーム、書籍、サウンドトラックなどのコンテンツが含まれている。
バンドル販売で得た収益は米国の中絶基金であるNational Network for Abortion Fundの「Collective Power Fund」に全額寄付。同基金では中絶手術の費用やクリニックまでの交通費、育児費、宿泊費、中絶ドゥーラによるサポートにかかる費用などを資金援助する。
バンドル販売の動きは、6月24日に米連邦最高裁判所が1973年に人工妊娠中絶を女性の権利として認めた「ロー対ウェイド事件判決」を覆し、人工妊娠中絶を憲法上の権利として認めない判断を示したことが背景となっている。これにより、米国では複数の州が人工中絶を禁止する法律を発効している。
この決定には米国に従業員を抱えるゲーム企業も反応し、マイクロソフト、SIEサンタモニカスタジオ、UbisoftやBungieなど多くの企業が従業員を医療的にサポートする旨を表明している。
【関連記事】
米国、中絶に関する憲法上の権利が覆されたことに際してゲーム企業が続々と声明を発表 従業員の医療サポートを宣言