アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年6月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2022年6月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が38社含まれ、合計で約20億ドルの消費を生み出し、トップ100の中で40%を占めた。この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。
先月から引き続き、テンセント、NetEase Games、miHoYoがトップ3を占めた。
NetEase Gamesは、宇宙を舞台にしたストラテジー『インフィニット ラグランジュ』がリリースから9ヶ月経ち、6月に前年同期比163%増となり過去最高の収益を記録。中国のApple Storeセールスランキングで8位に浮上した。この期間、NetEase傘下のタイトルで2番目に高い収益を上げている(※BlizzardとNetEaseの共同開発タイトル『ディアブロ イモータル』は含まれていない)。
miHoYoは先月、『原神』Ver.2.7アップデートの配信が遅れたことにより、同作における歴代ワースト2位の収益に落ち込んでいたが、アップデートが実施された6月は復調。前年同期比56%増を記録し、パブリッシャー収益も42%増となった。
LINGXIGAMES(灵犀互娱)の『オリエントアルカディア』が日本で好調となり、過去最高の収益を上げ前年同期比28%増となった。同期間、日本でのセールスランキングは50位以内を維持している。
IM30(Long Tech Network)のポストアポカリプスを題材にしたサバイバルシミュレーション『Last Fortress: Underground』(日本未サポート)は、前年同期比15%増で堅調に推移。同じくポストアポカリプスがテーマの『ラストシェルター』や『ライズオブエンパイアズ: 氷と炎』も好調で、パブリッシャーランキングで4ランクアップの8位に浮上した。
bilibili(哔哩哔哩)は、6月中旬に『アーテリーギア‐機動戦姫-』(机动战姬:聚变)の韓国語版と英語版、日本語版、繁体字版をリリースし、同パブリッシャーのタイトルで最も高い売上を記録。中国市場では、6月末にリリースした3D横スクロールアクション『时空猎人3』が、中国Apple Storeのセールスランキングでトップ10入りに成功。パブリッシャーの収益は前年同期比61%増となり、パブリッシャーランキングで23位に返り咲いた。
また、中国App Storeでのモバイルゲーム売上では、前述の『原神』『インフィニット ラグランジュ』(无尽的拉格朗日)のほか、テンセントの『金铲铲之战』と『光与夜之恋』が急成長。
『金铲铲之战』は、テンセント傘下ライアットゲームスの『League of Legends(LOL)』からスピンオフした『チームファイト タクティクス(中国名:云顶之弈)』のライセンスを取得して開発されたオートチェス系のタイトル。中国でスマホ版がリリースされるにあたり、タイトルを『金铲铲之战』と改題している。6月には新シーズンを開始し、前年同期比13%増を記録している。
一方、女性向け恋愛ゲーム『光と闇の愛』(日本語表記では『光と夜の恋』)は、周年記念イベントが開始。6月11日に過去最高のフローを記録し、売上が前年同期比205%に急増。17位にランクインした。
Sensor Towerの分析によると、現在、中国国内では新規タイトルのリリースが減っているものの、長期運用タイトルの継続的なアップデートにより、新たなピークを迎えている作品も見られるという。