
日本版と韓国版の運営を比較した際の格差などを理由に、炎上状態となっていた韓国版『ウマ娘 プリティーダービー(現地運営:カカオゲームズ)』(関連記事)において、ユーザーによるデモ活動が行われたと複数の韓国メディアが伝えている。
韓国メディア「THIS IS GAME」、「INVEN」などによれば、デモはパク・テソン氏によって企画され、8月29日と31日の2度実施されたという。
29日のデモでは本社周辺で抗議文を載せた馬車を走らせ現状の改善を訴え、さらにカカオゲームズに対し改善が見られるまで不買運動を実施するという誓約書を伝達。


31日には韓国ではある種の定番となっている電光掲示板を乗せたトラックによるデモ(関連記事)を実施。懇親会の開催要求やゲームに対する不満などを抗議文として表示されたようだ。また、パク・テソン氏はデモの実施と同時に、払い戻し訴訟を起こすための準備も開始しているとのこと。
韓国メディアに対し同氏は「31日午前4時までに、払い戻し訴訟に参加する意思を明らかにしたユーザーは3600人以上で、払い戻し額は34億ウォンに達する」と語っている。
一方の現地運営のカカオゲームズは24日に謝罪文を掲載していたが、今回のデモを受け新たな謝罪文を掲載。
ユーザーが声明文を出すまでに至らせた同社の対応について謝罪し、ユーザーからの意見を確認していること、すべての問題を一度に解決することが難しいことに触れながら、特に問題視されているトピックについての説明が行われた。
9月1日に掲載された謝罪文で触れられているのは、「謝罪文やお知らせの掲載が遅れた経緯と対策」、「日本版と異なる配布ジュエルや配布チケットの問題」、「ピックアップスケージュールが日本に比べ短くなった経緯」のような主な議題に加え、その他システム面での調整や翻訳の問題。
謝罪の遅れについては開発元との協議が行われるためであり、今後は開発元や関係部門との協議スピードを高める対策を進めると説明し、アップデートやお知らせの遅れについてはトピック毎に何日前に告知するといったスケジュールが公開された。
日本版と異なるジュエルの配布スケジュールについては、調整されたものを再度発表。50万ダウンロードおよび100万ダウンロードで配布されたSSR確定メイクデビューチケットについても順次配布するとしている。
ピックアップスケジュールについては、中長期的にゲーム内の季節感との乖離をなくすために行われた調整であったものの、説明の不十分さを謝罪。今後は日本版と可能な限りスケジュールを合わせるものの、やむを得ず1日から2日程度の差が生まれる可能性ががあると理解を求めた。
その他、日本版からオミットされてしまっていた「TP/RP回復時のプッシュ通知機能」については誤った判断であったと謝罪し、メンテナンス時期の調整などとともに10月頃までの実装を目指すと発表。

翻訳の問題については、翻訳担当者を追加しチェック体制を強化。一部ウマ娘の方言については、韓国内での方言に置き換えることが難しく、標準語に統一したことについて理解を求めた。
自ら言い訳過ぎないとしながらも、問題視されているいくつかのトピックについて経緯や改善策を提示したカカオゲームズ。
同社はこれからも韓国版『ウマ娘 プリティーダービー』を運営するため最善を尽くすとしたものの、これを受けデモや払い戻し訴訟の準備まで進めるパク・テソン氏らユーザー代表どのような動きを見せるのかは不明。
今回の開発元との協議によりお知らせに遅れが生じたという説明により、Cygamesが韓国版に対し不利益を判断がなされた場合、同社に対するデモなどが行われる可能性もないとは言えない。韓国版『ウマ娘 プリティーダービー』めぐる問題の動向に注目が集まる。