韓国版『ウマ娘』、8時間にも及ぶユーザーとの懇談会を実施 責任者の交代および改善TFを設置

 カカオゲームズは9月17日、同社が現地パブリッシングを担当する韓国版『ウマ娘 プリティーダービー』について、ユーザーとの懇談会を実施した。これを受けて21日、今後の改善策を発表した。

 韓国版『ウマ娘』では今年8月下旬から、日本版と韓国版の運営を比較した際の格差などを理由に炎上状態となり、ユーザーによるデモ活動が行われていた。

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炎上続く韓国版『ウマ娘』、ユーザーとの懇談会を9月17日に実施へ 話し合いは「双方が同意するまで無制限に」続行

 韓国では、ゲームの運営とユーザー間でトラブルが起こった際に、ユーザーとの懇談会を設け、問題について話し合う場が用意されることがある。

 そのため9月17日10:00より、実際に懇談会が実施。休憩を挟みつつ、8時間に及ぶ話し合いが行われた。

 会の目的は「顧客との積極的なコミュニケーションを通じたサービス改善」とし、ユーザーから代表7名とカカオゲームズの代表5名(『ウマ娘』総括事業本部長と事業室長、チーム長、運営室長およびPM)が出席。ユーザー代表陣が前もって収集したユーザーの意見を運営側に伝える形で進行した。詳細は韓国のゲームメディア「INVEN」が報じている。

 この様子はライブ配信され、カカオゲームズの公式チャンネルを通じて編集や削除、非公開措置なしに保存されている。

▲『ウマ娘』ユーザー懇談会のアーカイブ

 懇談会の実施にあたって、開発元であるCygamesもメッセージを寄せており、監修体制の不備によるカカオゲームズとの連携不足を謝罪。今後の連携強化を約束した。

 なお、カカオゲームズの『ウマ娘』運営について炎上の要因となったのは「謝罪文やお知らせの掲載が遅れたこと」、「日本版と異なる配布ジュエル(有償アイテム)や配布チケットの問題」、「ピックアップガチャのスケジュールが日本に比べ短い」、「システム面での調整や翻訳の問題」など。これらについて、事前に公開された謝罪文の中で説明を行っていた。懇談会では、これを受けて更に踏み込んだ内容の質問が多く挙げられた。

 「謝罪文やお知らせの掲載が遅れたこと」について実際に挙がった質問は、「どの部分までCygamesと協議を行っているのか」「どのようなフローで協議が行われるのか」「日本版と異なる内容のイベントは、Cygamesと打ち合わせしているのか」といったもの。

 カカオゲームズは、謝罪文および各種お知らせ、運営スケジュール、公式コミュニティでの質疑応答、ジュエル支給計画、ゲーム内外的なイベントおよびマーケティング素材など全般的な事項についてCygamesと協議を経て業務を進行していると説明。カカオゲームズ側でイベントを独断的に行ったことはなく、スケジュールをCygames側に提示し、それを検討する形で進めているようだ。

 また、ユーザー代表陣はお知らせの内容が不十分だとして、日本と比べたときに「ぱかライブTV」のような公式生放送がないことを指摘。情報格差をなくすために月間ロードマップの提供を求めた。

 カカオゲームズはロードマップの必要性に共感し、月に一度ロードマップを公開してユーザーに案内するようにすることを約束。お知らせについても今後はより詳細に説明できるよう、Cygamesと協議を進めるとした。

 日本版と異なる配布ジュエルの量については、SSRサポートカード「キタサンブラック」がピックアップされている期間に配布が少なかったことが主題に。SSRサポートカードの「キタサンブラック」は、その汎用性の高さと効果の優秀さからゲーム内で非常に人気のあるもの。そのため「売上を確保するためにジュエルの配布量を(日本での同時期と比べて)少なくしたのではないか」との疑念があがったようだ。

 カカオゲームズは、日本では一定のダウンロード数毎にジュエルを配布する形式だったが、ダウンロード数の予想値が大きく異なる韓国において、同じように当てはめることが難しかったと説明。ダウンロード数ベースではなく、配布を別の方式で行おうと協議していたところ、「キタサンブラック」のピックアップ期間を考慮することができなかったという。

 そのほか、「日本ではコラボカフェやメディアミックスを展開しているが、韓国に輸入する予定はないのか」「日本ではPCクライアント版が提供されているが、国内に提供するつもりはないか」といった質問も用意された。

 日本ではDMM GAMESが提供するPCクライアント版だが、韓国では「Google Play ゲーム」を活用してPCでも遊べるように開発を進めているとのことだ。

 また、オフラインイベントについても、「必ず行う」と宣言。現在イベントを準備中のため、確定したら公表するとした。

 ユーザー代表陣によると、「キタサンブラック以降、ここに来るまでにゲームを辞めた人が本当に多い」という。休眠ユーザーの復帰施策について問われると、カカオゲームズ側は「まず失われた信頼を回復し、ユーザーに改善されたと評価されることが最優先だと思う」とコメント。そして、信頼を回復しつつ持続的にマーケティングを行い、主要アップデートの際に大々的な新規・復帰ユーザー向けプロモーションを進行する方針だとした。

 そして懇談会の後、21日には今後の改善策を発表。お知らせの中で、責任者の交替および代表取締役直属の改善TF(タスクフォース)設置を発表した。まず議題に挙がった「キタサンブラック」ピックアップの件について救済策を協議中であるとし、アップデートに関するロードマップも準備中とした。

 また、これからのピックアップ期間についても日本と同じガチャスケジュール適用できるように調整を約束し、韓国版でオミットされていた「TP/RP(スタミナ)回復時のプッシュ通知」についても開発し、日本版との格差をなくす方向性で動いていることを明らかにしている。

 さらに、具体案を検討中としながらも、日本における「ぱかライブTV」のようなコンセプトの情報公開番組も制作予定としている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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