Activision BlizzardとTake-Two Interactiveが2022年第3四半期(2022年7月1日~9月30日)の決算を発表する中、両社のモバイル収益がPCとコンソールの合計を超えたと、海外のゲームビジネスメディア「mobilegamer.biz」が報じている。なお、本記事の数字はSensor TowerのアナリストDennis Yeh氏とAppmagicのIAP(アプリ内課金)収益データに基づく推計となる。
第3四半期、Activision Blizzardのモバイル収益のうち主力となったタイトルは以下の通り。
- 『キャンディークラッシュ』3億1,680万ドル(約443億円)
- 『Diablo Immortal』2億1,220万ドル(約297億円)
- 『Call of Duty Mobile』8,940万ドル(約125億円)
- 『キャンディークラッシュソーダ』7,290万ドル(約102億円)
- 『ハースストーン』1,860万ドル(約26億円)
『Diablo Immortal』(ディアブロ イモータル)はリリース後、約8週で生涯収益が1億ドルを突破するなど、驚異的なローンチを記録(関連記事)。これまで生涯収益15億ドル以上を記録している『Call of Duty Mobile』(関連記事)を超え、同社の2番目に高い収益源となっている。
Sensor Towerの分析によると、『キャンディークラッシュ』のアプリ内課金においても前年同期比18%増を記録しており、厳しいマクロ環境下でも連続した成長を遂げた。しかし、『Call of Duty Mobile』は他社のシューティングタイトルと同様に減速傾向にあるという。
このほか、Kingのパズルポートフォリオが優勢。上位2作に続いて『ファームヒーロー』(520万ドル)、『バブルウィッチ3』(240万ドル)、『キャンディークラッシュゼリー』(210万ドル)、『ペットレスキュー』(210万ドル)、『キャンディークラッシュフレンズ』(210万ドル)など安定した収益をあげている。
次に、買収されたZyngaを含むTake-Twoの主力モバイルタイトルは以下の通り。
- 『エンパイア&パズル』6,520万ドル(約91億円)
- 『トゥーンブラスト』6,060万ドル(約85億円)
- 『マージドラゴン (Merge Dragons!)』 3,450万ドル(約48億円)
- 『Toy Blast』3,030万ドル(約42億円)
- 『Zynga ポーカー』2,300万ドル(約32億円)
上位5タイトルは1年前と同じ顔ぶれ。これらのタイトルを合わせてもモバイル収益全体の7億3,000万ドルのうち2億1,360万ドルでしかなく、先述のActivision Blizzardと比べてみても同社のポートフォリオが幅広いことがうかがえる。
傘下スタジオのNordeus(1,600万ドル)、Socialpoint(1,290万ドル)、2K(1,100万ドル)、Playdots(960万ドル)のポートフォリオタイトルからの貢献をそれぞれ加えても、7億3,000万ドルという数字の半分ほど。なお『Two Dots』などで知られるPlaydotsはスタジオを閉鎖する予定(関連記事)。
このほかポートフォリオには、『Wizard of Oz Slots』(590万ドル)、『ハリー・ポッター:呪文と魔法のパズル』(500万ドル)、『Hit It Rich!』(480万ドル)、『Golf Rival』(420万ドル)、『Game of Thrones Slots Casino』(420万ドル)、『Words With Friends』(290万ドル)、『CSR Racing 2』(280万ドル)、『FarmVille 3』(190万ドル) など多様なタイトルが含まれている。
また、Rollic Gamesのハイパーカジュアルアームにおける広告収入も大きい要素。同スタジオのタイトルはダウンロード数が前四半期比6%増を記録している。
ただ、コロナ禍の規制緩和による影響は大きく受けており、『トゥーンブラスト』の収益は前年同期比で32%以上の減少値となっている。
Sensor Towerの分析によると、市場の減速傾向のなかでも、同社のソーシャルカジノゲームは減少幅が小さく、前年同期比5%減に留めたという。なお残りのポートフォリオは18%減少している。