中国、ゲーム産業協会が「青少年のゲーム中毒問題を解決した」と報告 18歳未満の75%以上が週3時間のプレイに抑制

 中国のゲーム産業協会が11月22日、「青少年のゲーム中毒問題を解決した」と報告したと上海ロイター通信が報じている。

 これは、オンラインゲームのパブリッシングにおける規制当局である国家新聞出版署と中国ゲーム産業研究院、市場調査会社のCNG(伽馬数据)が共同で作成したレポートにより明らかになったもの。

 中国の規制当局は2021年9月、18歳未満の人(青少年)が週に3時間以上ゲームをプレイすることを禁じる新しい規制を導入。これは、オンラインゲームの提供を週末の金曜日、土曜日、日曜日および祝日に限り、プレイ可能な時間帯を20時から21時までの1時間に限定する厳しいガイドラインをパブリッシャー側に制定することで、プレイ時間を実質的に週3時間に制限する内容。

 CNGの調査によれば、青少年の75%以上が現在、週に3時間未満しかゲームをしておらず、ゲーム中毒を抑制するシステムとして顕著な結果を達成したという。報告の中で、テンセント、Netease、Perfect Worldといった大手企業が規制に則った取り組みを行ったとして賞賛されている。

 ゲームの規制強化を続けてきた中国において、これまで当局が問題視してきた「青少年のゲーム中毒問題」の解決をアピールし始めたことには、現在のゲーム市場における不況も背景にあると考えられる。

 CNGが公開したレポートでは2022年上半期に、2008年に計測を開始して以来成長を続けていた中国ゲーム市場が、初のマイナス成長を記録したことが明らかになった(関連記事)。

 同期間、中国ゲーム市場全体の売上は1,477億8,900万元(約2兆9,910億円)となり、前年同期比1.8%減。ゲームユーザー数は昨年12月の6億6657万人から6億6600万人へと微減し、前年同期比では0.13%減となった。その後の第3四半期においても売上高が前四半期比12.61%減、前年同期比19.13%減を記録している。

 もちろん、こうした状況は規制だけでなく、版号(中国でゲームを発売する際に取得が必要なライセンス)の凍結問題や、コロナ禍におけるロックダウンの影響などさまざまな要素によるもの。

 今後、規制の緩和が行われるのかは不明だが、北京や上海、深センなどではesportsを活用した経済政策が打ち出されるなど、ゲーム産業・esports産業をデジタル経済の発展において重要視する動きも見られている。「青少年のゲーム中毒問題を解決した」とする中央政府の次の動向に注目が集まる。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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