中国テンセントCEO、ゲーム事業の国内展開を語る 「最高の製品づくりに集中し、版号取得のわずかな機会を無駄にしない」

 テンセントは2022年12月、オンラインで100人の社員が参加する社員総会を実施し、同社CEOである馬化騰氏がコスト削減と効率化をテーマにスピーチを行った。国内のゲーム展開に必要な版号についても言及している。現地メディアが報じた。

 総会の中で馬化騰氏は「多くの事業をできるだけ削り、コストダウンと効率化を一段と強化しなくてはならない」と語った。会社がかける管理コストや労力と比較して、ノンコア事業を広げすぎるのは費用対効果が悪いとし、周辺事業を縮小する方針。

 テンセントは2022年、プラットフォームとコンテンツビジネス事業グループ(PCG)、およびクラウドとスマート産業事業グループ(CSIG)の大幅な人員削減を行っている。

 特にPCGに関しては、一部事業に関して「残された時間が少ない」と語り、「騰迅新聞」などを例に「パワフルな変化が必要であり、そうでなければ切り捨てる可能性がある」とした。騰迅新聞は2022年にチームの入れ替えを行い、10月にはすぐ赤字から黒字へと転換している。

 人員削減については、2023年は必要ないと考えているものの、昨年のレイオフ後に残されたチームは「より有意義なことをしなければ無責任だ」との見解を示した。

 そして、ゲーム部門を管轄するインタラクティブ・エンターテインメント事業グループ(IEG)については、版号(ライセンス)問題に言及。

 中国では新たにゲームを配信・販売する際、行政機関である国家新聞出版署から「版号」を交付される形で認可を受ける必要がある。しかし、2021年7月以降から今年4月まで一時的にすべての版号審査が停止された時期もあり、中国のゲーム企業は国内展開で苦しめられてきた。

 特に大手のテンセントは版号の審査を後回しにされる傾向があり、2021年5月から2022年9月までの間、一度も新規タイトルの認可が行われなかった(関連記事)。そうした背景から、近年のテンセントは国外市場への展開を推進している。

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 そのため版号に関して馬氏は「今年(2022年)は不可抗力も多かった」と振り返り、長期的に見て国内のゲーム市場はタイトな状況にあると指摘。しかし、「版号を取得することが過去のように容易ではないからこそ、テンセントは最高の製品づくりに集中し、版号取得のわずかな機会を無駄にしないようにしなければならない」とし、「今後も成長チャンスはあるはず」と語った。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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