米国の市場調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年における米国モバイルゲーム市場のインサイトを公開した。米国のモバイルゲームのダウンロード数と収益、トレンドなどを明らかにしている。なお、本記事の数字は同社の推計となる。
2022年、米国におけるモバイルゲームの売上規模は、コロナ禍以降で初の減少値となる223億ドル(約3兆円)で前年比4.1%減となり、総ダウンロード数も46.9億で同4%減を見込む。


2021年は市場規模243億ドル(3兆1,000億円)で、新型コロナウイルスの流行前である2019年から50.6%急増してピークに達していたことから、その反動によるものと考えられる。
米国では、Sensor Towerが分類するカテゴリにおいてパズル、ボードゲーム、ストラテジーの収益性が高い。パズルは、マッチ3やワードパズルが堅調となり、2022年に全体で42億ドル(約5,400億円)を売り上げ、米国で最も人気なカテゴリとなった。

また、『コンビマンション』(Merge Mansion)や『マージカウンティ』(Merge County)に代表される、模様替え要素を取り入れた合成(マージ)ゲームが大きく売上を伸ばしている。
ダウンロード面では、ハイパーカジュアルゲームが12億以上のDLで全体の33%を占め、他のカテゴリを大きく引き離した。次いでパズルゲームが多くダウンロードされた。また、『ダダサバイバー』が流行したことで、アクション(动作)のカテゴリが前年比21.2%増と大幅に伸びている。

タイトル別で確認すると、セールスチャートではマッチ3の定番タイトル『キャンディークラッシュ』が首位に返り咲いた。マッチ3の『ロイヤルマッチ』も大幅な増収となり、4位に浮上している。

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『Coin Master – コインマスター』をはじめとしたカジノ系アプリも人気が高く、『BINGO BLITZ』、『DoubleDown』など同カテゴリ(Sensor Towerがボードゲームと分類)の売上シェアは19.6%となっている。
ストラテジーのカテゴリでは、『エボニー – 王の帰還』や『クラッシュ・オブ・クラン』など3タイトルが上位にランクイン。特に4Xストラテジーが好調に推移した。
※4Xとは、マップ周辺の探検(eXplore)、領地の拡張(eXpand)、リソースを増やす開発(eXploit)、敵を殲滅する(eXterminate)といった要素が組み合わさったものを指す。
ダウンロードチャートでは、『Roblox』が首位で人気を維持。また、上位20作品のうち7タイトルがハイパーカジュアルゲームとなり、Tap2PlayやSupersonic Studios、Popcore Gamesといったパブリッシャーのヒット作が名を連ねている。

新作では、Rollic Gamesの『Fill the Fridge』が10位、Habbyの『ダダサバイバー』が12位にランクインしている。
収益の伸び率チャートでは、Dream Gamesのマッチ3パズル『ロイヤルマッチ』が首位となった。次いで4Xストラテジー『Evony』が大きく伸長した。ダウンロード数の伸び率チャートでは、ハイパーカジュアルゲームが4本ランクインしている。

また、国外タイトルのセールスでは、合計11タイトルが1億ドル以上の収益をあげた。 中でも『原神』は2億ドルを超え、最も売れた国外タイトルとなった。

ダウンロード面では、テンセント傘下TiMi Studiosが開発する『Call of Duty Mobile』が1,000万回以上インストールされ、国外タイトルのダウンロードチャートで首位となった。米国における『Call of Duty Mobile』のダウンロード数は、世界全体の21.1%を占めている。
米国におけるダウンロードチャート20位以内には、IPタイトルの新作『Apex Legends Mobile』と『ディアブロ イモータル』が好調で、それぞれ3位と8位にランクインしている。
