KRAFTONは2月9日、カナダ・モントリオールにAAAゲームを制作するスタジオを新設したことを発表した。あわせて、韓国のファンタジー小説「涙を飲む鳥」のゲーム制作を担当し、今後3年間でスタジオメンバー約150名を採用する計画を明らかにしている。
KRAFTONモントリオールスタジオ(KRAFTON Montreal Studio)には、世界的なゲームフランチャイズで20年間以上開発リーダーとして経験を積んできたパトリック・メテ(Patrik Méthé)氏が就任。
そのほか、プロデューサーのブノワ・フラピエ(Benoit Frappier)氏、ゲームディレクターのフレデリック・デュロク(Frédéric Duroc)氏、テクニカルディレクターのマーティン・パラディス(Martin Paradis)氏など、ゲーム業界のベテランが同スタジオに合流した。
さらに今後3年間で現地の人材を中心に、 アニメーション、プログラミング、人事などの主要部門で約150名を採用する計画している。
現在、同スタジオ初のプロジェクトとして、 韓国で支持を集めるイ・ヨンド氏によるファンタジー小説「涙を飲む鳥」(原題: 눈물을 마시는 새 )を題材にしたゲームの制作に着手しているとのこと。
韓国で最も有名なファンタジー作品のひとつである「涙を飲む鳥」は、20年に渡って多くの読者から支持されている作品。KRAFTONの説明によると、東洋と西洋を絶妙に合わせた独自の設定や人物が登場するという特徴があり、4つの先民種族である人間、レコン、トッケビ、ナガが一連の事件に絡まれ始まる物語を描いている。
KRAFTONは、「涙を飲む鳥」IPをマルチメディアに展開するフランチャイズへと拡大するべく、2021年からビジュアルのR&D作業を進めてきた。2022年9月にはビジュアルコンセプトトレーラー公開しており、11月には「涙を飲む鳥」の連載20周年を記念してアートブックを発売。アートブックは予約販売の開始から4日間で大手オンライン書店の週間ベストセラー1位を獲得したという。
なお、今回設立された新スタジオは、KRAFTONにとって3か所目となる北米スタジオ。モントリオールはゲーム産業が盛んで、州政府の補助が手厚いことが特徴。呼び水となったユービーアイソフトを筆頭に、エレクトロニック・アーツ、ワーナー・ブラザースといった企業の大規模なゲーム開発スタジオがあることで知られる。日本でも任天堂やスクウェア・エニックスなど多くの企業が子会社を抱えている。
代表のパトリック・メテ氏は、発表にあたって 「このスタジオは実力を認められているベテランの人材で構成されており、原作の小説を最高のレベルでゲーム化することでゲーマーの皆さんに特別な経験を提供するという共通の目標を持っている」とし、「10代の頃から中世ファンタジーのファンであるため、KRAFTONの一員として傑作のファンタジー小説をゲームで制作できるようになり、とてもワクワクしている」とコメントした。