「リネージュ」のモバイル3作の全世界累計売上が70億ドル突破 『リネージュW』は若年層にもリーチ

 NCSOFTがモバイル向けに展開する『リネージュM』、『リネージュ2M』、『リネージュW』の全世界累計売上が70億ドルを突破したと推計された。市場調査会社Sensor Towerのデータに基づいて、韓国メディアTHIS IS GAMEが報じている。

 上記のモバイル向け3作は、1998年にPC向けでリリースされて以来、韓国を中心に好評を博している「リネージュ」IPをベースにしたモバイルMMORPGシリーズ。『リネージュM』が2017年に、続いて『リネージュ2M』が2019年、『リネージュW』が2021年にリリースされた。 

 

 そしてSensor Towerによると、2023年2月14日までに『リネージュM』は約42億3,700万ドル(約5,694億円※)、『リネージュ2M』は約17億6,500万ドル(約2,372億円)、そして『リネージュW』は約10億5,400万ドル(約1,416億円)を売り上げ、3作の全世界累計売上は70億ドルを超えているという。 

※執筆時点の最新取引レートで計算

▲画像はTHIS IS GAMEより(出典:Sensor Tower)

 また、2022年2月15日から2023年2月14日までの1年間、韓国Google PlayとApp Storeを統合したセールスランキングにおけるTOP5を見ると、『リネージュM』が1位にランクイン。次いで『リネージュW』が2位、『オーディン:ヴァルハラライジング』が3位、『リネージュ2M』が4位、そして『アラド戦記モバイル』が5位となり、「リネージュ」3作がすべて5位圏内にランクインする結果となった。

▲『リネージュM』が1位。次いで『リネージュW』が2位、『オーディン:ヴァルハラライジング』が3位、『リネージュ2M』が4位、そして『アラド戦記モバイル』が5位となっている。

 さらに、上記各タイトルを継続してプレイしているユーザーの割合を調べるために30日目のリテンションを確認すると、『リネージュM』は5タイトルの中でリリースされてから最も期間が長いにもかかわらず、30日目のリテンションが約10%と最も高いという結果に。このことから、同作は高いユーザーロイヤリティとエンゲージメントを長期間維持することに成功し、収益性に良い影響を与えていることが分かる。 

 次に、同じ1年間の各ゲーム売上で海外市場(韓国以外の市場)が占める割合を見ると、『リネージュM』は12.9%、『リネージュ2M』は31.9%で、『リネージュW』は37.9%となり、3作の中で海外市場の占める売上割合が最も高い作品となった。

▲左から順に『リネージュM』は12.9%、『リネージュ2M』は31.9%で、『リネージュW』は37.9%

 そのため、全世界のモバイルゲーム売上ランキングで『リネージュW』は17位にランクインし、『リネージュM』と『リネージュ2M』を上回っている。なお『リネージュW』の「W」は「ワールドワイド」の意味が含まれており、従来の「Pay To Win」要素を薄め、グローバルユーザーに向けたマネタイズを採用しているという。

 実際に、ダウンロードあたりの収益(RPD)は約256ドルとなり、『リネージュM』の約406ドル、『リネージュ2M』の約410ドルよりも低い。グローバルの売上で最も成功していることからも、このマネタイズの変化は効果的だったことが分かる。

 また、クロスユースに関するデータでは、『リネージュM』ユーザーが『リネージュW』をプレイする確率は『リネージュM』の非ユーザーと比べて6.95%増加。『リネージュ2M』ユーザーが『リネージュW』をプレイする確率は『リネージュ2M』非ユーザーと比べて5.83%高くなるという結果となっている(全世界のGoogle Play基準)。このため前2作の存在が『リネージュW』のユーザー基盤を少なからず拡大させていると言えそうだ。   

 そして、「リネージュ」モバイル3作のユーザー人口統計を見ると、『リネージュM』は35~44歳の年齢層の割合が高く、かつてPCでシリーズを楽しんだ世代と見られる(全世界のGoogle Play基準)。しかし、その後リリースされた『リネージュ2M』は25~34歳の層が、『リネージュW』は18~24歳層の割合が他の年齢層より高くなっており、シリーズを重ねるごとに若年層へのリーチにも成功していることがうかがえる。

▲上から順に『リネージュM』は35~44歳、『リネージュ2M』は25~34歳、『リネージュW』は18~24歳の層が他の年齢層より高い割合となっている。

 『リネージュW』は直近で日本が誇るダークファンタジーコミック「ベルセルク」とのコラボレーションイベントを開催するなど、IPの認知度を高める施策を実施している。現在サービスを提供している韓国、台湾、日本、ロシア、東南アジア、中東に加えて今後、北米と欧州市場でもリリースを予定しており、さらなる盛り上がりが期待される。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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