

セガの開発子会社Sports Interactiveは、同社が展開するサッカークラブ経営シミュレーションゲーム「Football Manager」シリーズにおいて、女子サッカークラブ経営の要素を実装するための複数年にわたるプロジェクトに着手することを発表した。女子サッカーの地位向上のための取り組みとみられる。
「Football Manager」シリーズは、選手の獲得からトレーニング、戦術などサッカークラブの経営シミュレーションが楽しめるPC/家庭用ゲーム機向けゲームシリーズで、オリジナルの男子サッカークラブ、選手に加えて実在のクラブや選手なども多数登場する。全世界でのシリーズ累計販売本数は2,200万本を突破。
今回発表されたプロジェクトは、女子サッカークラブの経営をテーマとした新たなゲームの開発ではなく、同一作品において従来の男子サッカークラブ経営と、女子サッカークラブの経営を楽しめるゲームの開発を目指すものとなる。なお、女子サッカーが実装される作品の発売時期は未定だが、決まり次第改めて発表されるとのこと。
また、プロジェクトについては、Sports Interactive スタジオディレクター Miles Jacobson氏とチェルシーFC ウィメンEmma Hayes 監督によるコメントが寄せられている。
Sports Interactive スタジオディレクター Miles Jacobson氏 によるコメント(日本語訳)
私たちは『Football Manager』の女子サッカー版を単独で開発することには全く興味がありません。女子サッカーを男子サッカーと共に1つのスポーツ、1つのゲームとして、『Football Manager』に加えようとしているのです。本プロジェクトには多額の費用がかかり、他方大きな利益は見込めません。しかし、それは重要なことではありません。女子サッカーには飛躍を阻む「ガラスの天井」がありますが、それを打ち破るために私たちにできることをしたいと考えています。私たちはすべての平等を信じており、一つの解決策を示したいのです。私たちの取り組みが、女子サッカーが男子サッカーと対等な立場を獲得するための一助になればと思っています。英放送局「Sky」と「BBC」がイングランドの女子プロサッカーリーグ「WSL」と歴史的なテレビ放映契約を結んだように、同様の取り組みが進んでいます。私たちは女子サッカーが本来相応しい地位に到達できるようできる限り取り組みたいと思います。
【関連】
Miles Jacobson氏のブログ:
https://www.footballmanager.com/news/how-were-introducing-womens-football-football-manager#desktop
チェルシーFC ウィメンEmma Hayes 監督によるコメント (日本語訳)
女子サッカーは世界中のファンの心をとらえ、観客動員数や放映契約の面でも大きな飛躍を遂げています。しかし、女子サッカーが次のレベルに到達するためには、サッカーの世界において不可欠な一部分として認識される必要があります。私たちは将来の世代にとって、サッカーが「女子」、「男子」と分けられていない、単にサッカーと認識される社会になってほしいと願っています。Sports Interactive チームが『FootballManager』で掲げる野心的な計画は、私たちがそこに到達するために大きな役割を果たすでしょう。
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