
11月6日配信の「INDIE Live Expo Winter 2021」にて、目黒将司氏が手掛けるRPG『Guns Undarkness(ガンズ アンダークネス)』が発表された。
目黒氏といえば「ペルソナ」シリーズや「真・女神転生」シリーズなどのサウンドを手掛けたことで知られるサウンドクリエイター。9月末日をもってアトラスを退社し、インディゲーム開発に注力する旨を発表したことは記憶に新しいだろう。
目黒氏がアトラスを退社するきっかけとなったのが、2020年9月より講談社が取り組みを始めたインディーゲーム開発プロジェクト「講談社ゲームクリエイターズラボ」(以下、GCL)だ。
本プロジェクトは、金銭面での援助のほか、講談社媒体による広報・宣伝・営業サポートや作品のマルチメディア展開など、講談社によるフルサポートが提供されるというもの。「INDIE Live Expo Winter 2021」にて、『Guns Undarkness』を含む9作品の情報が発表となった。
本稿では、目黒氏の『Guns Undarkness』と、GCLの発表タイトルについて紹介していく。
「講談社ゲームクリエイターズラボ」9作品が公開
インディゲームファンに向けた情報番組「INDIE Live Expo」。第4回目となる『INDIE Live Expo Winter 2021』では、500タイトルを超えるインディゲームの紹介が行われた。
番組内でインディーゲーム作品の1本目として紹介されたのが、目黒氏がゲームデザイン・音楽・開発を手掛ける『Guns Undarkness』。PVが初公開となり、2045年の近未来のSFが舞台としたRPG作品であることが明らかとなった。
目黒氏によると、ゲームはステルスパートと戦闘パートの大きく2つに分かれているという。探索パートはステルス要素のあるカバーアクションで進行し、敵とエンカウントするとターン性のRPGがスタートするといったゲームサイクルだ。


戦闘に使用するハンドガンやアサルトライフルといった重火器は自由に製作・カスタマイズ可能とのこと。戦闘パートはもちろん、武器の強化や素材集めといったやり込みが楽しい作品となりそうだ。

2016年頃からプライベートの時間を利用しながらインディーゲームの製作を進めていたという目黒氏。2020年に「講談社ゲームクリエイターズラボ」の第1期募集に応募したところ、最終選考まで進めたことをきっかけにインディーゲーム開発に火が付き、アトラスの退社を決意したそうだ。
『Guns Undarkness』では音楽だけでなく、シナリオも目黒氏が担当しているとのこと。楽曲の作詞は、同じく「ペルソナ」シリーズのロータス・ジュース氏が担当。『攻殻機動隊 SAC_2045』などで知られるイラストレーターであるイリヤ・クブシノブ氏がキャラクターデザインを手掛けている。
番組では、「講談社ゲームクリエイターズラボ」の第1期メンバーによるデジタルゲーム8作品の紹介も行われた。いずれの作品もクオリティが高く、講談社のインディーゲームに対する“本気度”が伝わってくるような発表となった。

●『FAMILY BATTLE タッグアリーナ』/ナカミチヨシアキ
2対2のタッグバトルアクションゲーム。アタッカー・サポートという2つのロールがあり、様々なスキルを組み合わせた立ち回りが要求される内容となっている。
●『ハルカノカナタ』/そらまめゲームス
必ずバッドエンドを迎えてしまうというウェブ漫画の中に飛び込み、結末を変えるために奮闘する物語が描かれる謎解き脱出アドベンチャー。PVではタイトルが『謎と記憶のラビリンス』となっているが、『ハルカノカナタ』に変更となったことが明かされた。
●『地罰上らば竜の降る』/Hytacka
Hytacka氏によるアクションRPG。Youtube上でゲーム制作の過程について、ゲーム実況ならぬ“ゲーム制作実況”を行っている。チャンネルの登録者数が12万人を超えるなど、多くの注目を集めている作品だ。
●『BURGGEIST(ブルクガイスト)』/GHRIAN STUDIO
オープンワールドとタワーディフェンスを組み合わせた作品。公開されたPVでは、キャラクターがフィールドを駆け回り、火炎魔法で敵を攻撃するといったシーンを確認することができた。


●『違う冬のぼくら』/ところにょり
2人プレイ専用の横スクロールパズルアドベンチャーゲーム。ハエがたかる鹿の死体を動物たちがニコニコして見ているシチュエーションがあるなど、可愛い絵柄ながらドキッとしてしまう場面が用意されているようだ。


●『メーアステイル ~小さな国のアイテム屋さん~』/らむらむ
「メーアステイル」は国の領主として町を発展させていく、国家経営ストラテジーアドベンチャーゲーム。可愛らしいキャラクターたちのデザインが目を引く作品だ。


●『Laugsh!(ラッシュ!)』/ときたまご
サーバーに集められた世界中のプレイヤーのリプレイデータがゲーム画面に反映され、最大100人の仲間と同時に協力しながらプレイできる2Dアクションゲーム。キャラクターたちが画面いっぱいに表示される、ワイワイ感が楽しめる作品となっているとのこと。


●『十三月のふたり姫』/コバヤシマル
名作童話『眠れる森の美女』を、新たな解釈で再構築したビジュアルアドベンチャーゲーム。『女神転生』ゲームデザイナーの鈴木一也氏がシナリオ・設定を、『女神転生』サウンドクリエイター・増子津可燦氏が作曲・サウンドトラックを、「LIMITS アートバトル」初代世界王者・アサガチョウ氏がキャラクターデザインを担当する。


コーナーの最後には、漫画家・真島ヒロ氏による『FAIRY TAIL』オリジナルゲーム制作コンテスト開催が発表された。入賞者に真島氏より1,000万円、講談社から500万円が支払われるとのこと。応募期間は2021年12月1日~2022年1月17日までとなっている。
今回紹介された作品についての製作状況は、公式Twitterにより随時発信される予定となっている。作品によってはSteamストアページも公開されているため、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。