すごろくや主催の「第4回ボードゲーム合同展示商談会」を取材。近代ボードゲームのトレンドが明らかに

 すごろくやをはじめとするボードゲーム出版メーカー9社は、10月26日、オンラインにて「第4回 ボードゲーム合同展示商談会」を実施した。

 本イベントは、2018年よりすごろくやの声かけにより開催が始まった、ボードゲームに特化した事業者主体の商談会となる。新型コロナウィルスの影響もあり、第3回目からオンライン上での開催が行われている。

 ブースでは、最新作の情報に加え、人気ボードゲームについて紹介。パッケージやコンポーネントなどをカメラに近づけての紹介や、スライドを交えての説明など、作品について理解がしやすいような工夫が施されている。チャットでメッセージを自由に送ることもできるため、連絡先の交換もスムーズだった。

 本稿では、商談会の模様についてのレポートと、イベントを主催したすごろくやへのインタビューの模様について、お伝えしていく。

 

アークライト

 ボードゲームをはじめ、TRPG、TCGの企画・開発・製造・販売を行うアークライト。2010年より、国内最大級のアナログゲーム総合イベント「ゲームマーケット」を主催・運営をしているメーカーとして、ご存じの方も多いだろう。

 ゲームマーケット2021秋では、オインクゲームズとの初コラボ作品となる『タイガー&ドラゴン』を先行販売。麻雀パイのようなコンポーネントが特徴で、伝統ゲーム『ごいた』の流れを汲んだ、誰にでも遊びやすいよう現代風にデザインされた作品となっているそうだ。アークライトでは今後も、様々なメーカーとのコラボを行っていきたいとしている。

 11月27日発売予定の『フォート 完全日本語版』は、子ども時代をテーマにしたデッキ構築型ゲーム。2019年に発売された『ルート 完全日本語版』のクリエイターチームが再結集して手掛けられた作品で、ゲームシステム面と価格面について、手に取りやすさを重視したタイトルとなっている。友だちを作るためにオモチャやピザを使って交友の輪を広げたり、他人の友達を奪ったり(!?)と、白熱した対戦が楽しめる内容になっているようだ。

 2020年に製作が発表されていた『テインテッド・グレイル 完全日本語版』は、2021年内の発売を予定。ダークファンタジーの重厚なシナリオが15も用意されているうえ、それぞれが90分~2時間も遊べてしまうため、アークライトいわく「一生遊べてしまう」ボリュームになっているとのこと。外箱は画面にギリギリ収まるほどの大きさで、超重量級のゲームであることがひしひしと伝わってきた。

▲重量級ゲームを重そうに抱えてくれる姿には多少の申し訳なさを感じてしまうが、それだけぎっしりコンポーネントが詰まっているのかと思うとワクワクしてしまう。

 10月28日発売されたマーダーミステリー『腐草館からの招待状 マーダー☆ミステリー ~探偵・斑目瑞男の事件簿~』は、TV番組で使用されたシナリオをパッケージ化したもの。ストーリーは、マーダーミステリーゲーム業界では超名作と名高い「遠き明日への子守唄」を手掛けた人気作家のAGATAさんが担当。アークライトはマーダーミステリーの人気に注目しており、今後も力を入れていきたいとしている。

 

幻冬舎

 幻冬舎といえば書籍を扱っているイメージが強いが、書店を中心とした流通網にて数多くのボードゲームを手掛けている。人狼シリーズをはじめ、コミュニケーションゲーム『はぁって言うゲーム』や『カタカナーシ』など、シンプルで気軽に楽しめるゲーム作品も多い。

 7月20日にリリースされた『57577 ゴーシチゴーシチシチ』では、実際に作品をプレイしたユーザーからのSNS投稿が注目を浴び、日本テレビ「スッキリ」のオープニングにて紹介されるなど、大きな注目を集めていた。

▲実際にSNSに投稿された短歌について再現したもの。「雨のなか 君と出会った 放課後に 行けたら行くわ タイムマシンで」と、なかなかのエモさを感じさせる内容になっている。

 商談会ではまず、11月下旬の発売を予定している木製版『バックギャモン』の紹介が行われた。本作はNintendo Switchの『世界のアソビ大全51』に収録されているタイトルであり、ユーザーからの知名度を一気に高めたという経緯がある。

 幻冬舎では『バックギャモン』の遊び方についてTVゲームで学び、実物がほしいと考えるユーザーに向けて、手に取りやすい価格帯を設定。TVゲームからのユーザーの流れを期待しているとのことだ。TVゲームの人気をボードゲームにも積極的に取り入れようとする抜け目なさは、特筆すべきポイントだろう。

▲2018年には対戦頭脳ゲーム『マンカラ・カラハ』をリリース。同タイトルを収録した『世界のアソビ大全51』が登場した2020年には、2~4人プレイが可能なデラックス版『マンカラ・カラハ ファミリー』を発売している。

 日本バックギャモン協会が作品の監修を務め、推薦は将棋棋士・森内俊之氏が行っている。森内氏は将棋棋士でありながらバックギャモンのプレイヤーでもあり、自身のYouTubeチャンネルにて息子・森内俊之氏との対戦動画のアップも行っているとのこと。森内俊之氏も、世界バックギャモン選手権ジュニアの部を優勝するほどの腕前だというから驚きだ。

 12月には、マーダーミステリー『5人の銀行強盗』『キャンプ場の殺人鬼』の2タイトルを同時に発売。ゲームデザインは『キャット&チョコレート』等の作品で知られる作家・秋口ぎぐる氏が担当する。マーダーミステリーについて幻冬舎は「人狼ゲーム、リアル脱出ゲームの次のブームになる」と認識しているそうで、前述したアークライトと同様、今後もリリースを続けていくそうだ。

 

ジーピー

 ボードゲーム普及のきっかけとなった「カタン」シリーズや、パズルボードゲーム『ウボンゴ』をはじめ、さまざまな商材を取り扱うジーピー。ピースが三角形になった『ウボンゴ ミニ トライゴ』や、ピースが六角形の集合体になった『ウボンゴ ミニ エクストリーム』といった「ウボンゴ」シリーズの最新作として、11月中旬よりハローキティとのコラボ商品である『ウボンゴ ハローキティ』が登場する。

 パズルの問題カードがハローキティの顔の形となっているほか、パズルピースはキティのお友達のタイニーチャムがあしらわれているなど、全体的に可愛らしいデザイン。カラーデザインもパステルカラーでふんわりした温かみを感じさせ、ハローキティファンの興味を抱きやすいコンポーネントに仕上がっている。

▲裏面はハローキティのふたごの妹・ミミィのデザイン。

 ハローキティとのコラボについてジーピーは、「女性の方のボードゲームの認知が少しづつ広げるきっかけに繋がれば嬉しいです」とコメント。値段は1,320円(税込)と『ウボンゴ ミニ』と変わらず、キャラクターグッズとしての需要も十分に期待できそうだ。

▲『アリスガーデン』という、メルヘンチックな世界観をベースにしたパズルゲームも展開している。

 ジーピーから10月中旬に発売されたばかりの『ザ・クルー 深海に眠る遺跡』(英語版 日本語説明書付)は、2020年にドイツエキスパートゲーム大賞を受賞した『ザ・クルー:第9惑星の探索』の続編。シナリオ・ミッションが掲載されているログブックが日本語訳が行われているほか、カードの早見表が日本語で記載が行われているため、スムーズにプレイができるようになっている。

 また、ジーピーは数多くの脱出ゲームを手掛けているのも特徴的だ。メカメカしいガジェットが印象に残る『エスケープルーム』や、カードゲームで手軽に遊べる『デックスケープ』といった作品を展開中。

 脱出後のストーリーもしっかりと用意されており、プレイ後の満足感も高い仕上がりになっているそうだ。『デックスケープ』は世界で既に9作品がリリースされており、日本語版について順次リリースしていくとのことだった。

 

JELLY JELLY GAMES

 全国で12店舗展開中のボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」を運営しており、2017年には通販サイト「JELLY JELLY STORE」を開始。オリジナルゲームの製造・販売のほか、一般企業のボードゲーム制作をプロデュース・サポートするなど、幅広い事業を手掛けている。

 11月1日(月)には、池袋に「JELLY JELLY STORE」の実店舗(取材記事)をオープン。世界中のボードゲームを500種類以上揃え、実際に手に取って買えるボードゲーム専門店となっている。

▲ 「JELLY JELLY STORE」 池袋店

 JELLY JELLY GAMESでは、これまでに論理パズルゲーム『タギロン』や相手プレイヤーを出し抜きながら美味しいカレーの完成を目指す『ギリギリカレー』といった数々の作品をリリースしている。今回の商談会では『はらぺこバハムート』にフォーカスを当てた紹介が行われた。

 本作は、3枚のまものカード、4枚の呪文カード、9枚のアクションカードで構成される2人用のカードゲーム。手元のカードを交互に出し合い、それぞれの効果を発動していくといった、シンプルながらも奥深い戦略的な駆け引きが楽しめる作品だ。デザインは、イラストレーターのア・メリカさんが担当。童話のような優しいデザインで、大人でも子どもでも手に取りやすい内容となっている。

 原作となるのは、「Studio GG」がリリースした『きょうあくなまもの』というボードゲーム作品。ゲームマーケット2019秋で同人ボードゲーム製品化プレゼン大会の「ボードゲームコンテスト」がきっかけとなり、今回のリメイクに繋がったそうだ。

 メーカーがボードゲームの製品化を行うことで、サークルには大規模な取引を前提とした大手量販店・問屋を経由して、全国への流通が行えるといったメリットがある。JELLY JELLY GAMESでは、今後もゲームマーケットのインディー作品について、商品化に向けての声かけを積極的に行っていくとしている。

 

すごろくや

 2006年にボードゲーム販売店として創業して以来、ボードゲームイベントをはじめ自社製品の開発、輸入販売、卸売などを総合的に行うすごろくや。1番の人気作は『ナンジャモンジャ』で、国内販売累計100万個を突破する大ヒット作となっている。

 『ナンジャモンジャ』は現在、それぞれ種類の違うカードが12種ずつ入った『ナンジャモンジャ・シロ』と『ナンジャモンジャ・ミドリ』の販売が行われているが、11月下旬にはその2つのセットに新キャラクター1体が追加された『ナンジャモンジャデラックス』が発売される。

 『ナンジャモンジャデラックス』は、2016年に発売された『ナンジャモンジャ・ペアセット』の豪華版。お洒落な缶パッケージになっており、カードはキャラクターの部分にだけグロス加工が施され、浮き上がって見えるような仕様となっている。

 発売日は11月20日と、年末に向けたギフト需要も見込んでいるとのことだ。2016年に国内版が発売されてから5年が経過しているため、買い替えの需要も見込まれる。新キャラクターも追加されており、『ナンジャモンジャ』を既に遊んだという方も楽しめることだろう。

 11月6日には、協力型のゲーム『ゾンビキッズ:進化の封印』の続編、『ゾンビティーンズ:進化の鼓動』がリリースとなる。街中で大暴れするゾンビたちを人間に戻すべく、湧き出るゾンビを駆除しつつ、4箇所に散らばった治療薬の原料を集めるなどして勝利を目指していく。

 プレイ中に条件を達成すると、隠しキャラクターや新モードがアンロックされるといった、やり込み要素がふんだんに盛り込まれているとのこと。前作とストーリーの繋がりが感じられるような隠し要素があるのも嬉しいポイントだ。

 すごろくやからはさらに、トランプのルールブック『大人が楽しい トランプゲーム30選』が、11月30日にリリースされる。2012年にリリースされた『大人が楽しい 紙ペンゲーム30選』のコンセプトの流れを汲んだ内容で、世界中のトランプゲームの中から30作品をすごろくやで厳選。既存のトランプゲームのルールをそのまま載せるのではなく、ゲームバランスについての細かい調整も行われているとのことだ。

 先駆けて発売されるルールブックとあわせて、すごろくや特製の『スマートトランプ』と『スマートチップ』、2つのセット『スマートトランプ&チップセット』も2022年2月を目処にリリースされる。『スマートトランプ』は、通常のトランプと比較して二回りほど小さく、子どもにも扱いやすいサイズ。トランプの中央に大きく数字が書かれており、視認性も高い。さらには数字が四隅にも印刷されているため、左利きの人もプレイがしやすい仕様となっている。

▲画像左が『スマートトランプ』と『スマートチップ』。右が『スマートトランプ&チップセット』。
▲『スマートトランプ』と通常のトランプとの比較画像

 『スマートチップ』は通常のチップと、穴の空いたチップ2種類の、全74枚を収録。それぞれのチップを組み合わせることで、74枚で660点を、6人分用意ができる仕様となっている。チップは1~5までそれぞれの数値が用意されており、両替が行いやすい仕様だ。

 ルールブックとトランプ、チップを合わせた価格は、3,000円未満に抑える予定とのこと。3,000円以下の値段で30ものゲームが遊べるようになるという、コスパの高い新作品に期待したい。

 

テンデイズゲームズ

 2009年ボードゲーム専門のネットショップとして開業し、翌2010年に東京都三鷹市に実店舗をオープンしたテンデイズゲームズ。ファミリーゲームから本格的な戦略ゲーム、『テレストレーション』や『わたしの世界の見方』といったパーティーゲームまで幅広いラインナップが用意されている。

 テンデイズゲームズの人気作として、2017年のドイツ年間ゲーム大賞の一番メインの章のグランプリを獲得した『キングドミノ』がある。シリーズとして続編の『クイーンドミノ』、キッズ向けアレンジ版『ドラゴミノ』があり、『ドラゴミノ』は2021年に年間ゲーム大賞のキッズゲーム部門受賞作品を受賞している。

 そんな「キングドミノ」シリーズの最新作『キングドミノオリジンズ』(以下、オリジンズ)が、いよいよ11月下旬に登場となる。『オリジンズ』は3つのルールで遊べるなど、戦略要素にさらなる深みが加えられた作品。誰が何を集めるのかといったプレイヤーの色が出やすく、多人数で遊べば意外な発見が楽しめるようになっているとのこと。

 1プレイの想定時間は25分。3つのルールを通して遊んでも1時間程度で終わるため、3つのゲームプレイの点数をトータルで競うといった楽しみ方もできる。『キングドミノ』は好きだけどもう少し戦略的な要素がほしいという方や、『クイーンドミノ』は難しくて手が届かなかったという方に、まさにピッタリな作品となっていると言えるだろう。

 

ホビージャパン

 ホビージャパンは世界的大ヒット作『ドブル』をはじめ、「ディクシット」「ドミニオン」「チケット・トゥ・ライド」「コードネーム」といったドイツ年間ゲーム大賞受賞作などのボードゲーム商材を扱っている。

 商談会では、11月下旬のリリースを予定しているタイル配置ゲーム『サバンナパーク』日本語版と協力型謎解きゲーム『ザ・イニシアティブ』日本語版についての紹介が行われた。

 『サバンナパーク』は、野生動物講演のレンジャーとなり、動物たちを適切に護る新作ゲーム。プレイヤーは自分の講演にランダムに配置された動物トークンを移動させ、ゲーム展開に応じた適切な配置を目指していく。

 公園内の動物の群れの行動について、適切にコントロールしていく必要があるといった、パズル的なジレンマに溢れたタイル配置ゲームとなっているそうだ。

 『ザ・イニシアティブ』は、ゲーム内のゲームを遊ぶという、ユニークな手法を採用した協力型謎解き作品。全部で39ものミッションが用意されており、それぞれのプレイ時間も30~60分と、たっぷりと遊べる仕様。1人プレイから最大4人までのプレイにまで対応しているとのことだ。

 

ホビーベース

 ホビーベースでは、『スティックスタック』や人気のリメイク版『キョンシー』などのローカライズを中心に、多様なサイズのスリーブをはじめ、カードスタンドなどのサプライ商品を販売。ゲーム・ホビー専門店「イエローサブマリン」を全国展開していることでも知られている。

 10月23日にリリースされたカードゲーム『もしも勇者がいるのなら』は、クラウドファンディングで支援額100万円のストレッチゴールを達成。カードを1枚選ぶだけのシンプルなルールながら、読みあいとカードを出すたびに巻き起こる面白さが用意されている。キャラクターデザインを『マンガで分かるFate/Grand Order』でおなじみのリヨさんが担当をしたことも話題となった。

 12月にリリース予定の新作『HacKClaD』(ハッククラッド)も、クラウドファンディングにて支援額1000万円を突破するほどの注目作。荒廃した世界で人類を襲うクラッドを倒し、名声を得ることを目指す戦略シミュレーションゲームだ。キャラクターの成長システムにより広がりをみせる戦術とゲーム展開、閉ざされたフィールド内での緊張感ある戦いが堪能できる作品となっている。

 90~120分とプレイ時間は長めながら考えることが多く、時間を忘れて没頭できる作品になっているとのこと。カードの下部にはフレーバーテキストが記載されているなど、世界観についてもしっかりと楽しめる作品に仕上がっているのも、嬉しいポイントだろう。

▲キャラクターボードには溝が掘ってあり、そこにキューブ上のコマを置き、キャラクターの状態変化について記録することができるシステムになっているようだ。
▲クラッドと呼ばれる怪獣は、厚紙で立体に組み立てる事ができるようになっている。

 

メビウスゲームズ

 東京・水道橋に実店舗を構えるメビウスゲームズ。1995年より、ドイツを中心としたヨーロッパのボードゲームを輸入販売を開始。以降、ヘビーゲーマー向けの作品から広く一般の方が楽しめるライトゲームまで、幅広いラインナップを展開している。

 カードの絵柄の素早い認識と反射神経を競う『おばけキャッチ』や相手の嘘を見抜く心理戦『ごきぶりポーカー』、変則的しりとりゲーム『ワードバスケット』など、長年愛されているロングセラーの商材も多数。ルールはシンプルですぐに理解ができ、大人と子どもが一緒に楽しめる作品も多い。

 商談会で紹介が行われたのは『プエルトリコ20』。2002年に発売され、ボードゲームの金字塔と言われる人気ゲーム『プエルトリコ』の新パッケージ版だ。パッケージや中身が一新されたことを機に、日本語版として再登場する。

 そのほか、2001年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞して以来のロングセラー『カルカソンヌ』のパッケージを一新した、『カルカソンヌ21』についての紹介が行われた。

 

「すごろくや」齊藤充司氏インタビュー

 PickUPs!では、今回の商談会を主催した「すごろくや」にインタビューを実施。営業を担当する齊藤充司氏に、イベントの開催理由や今後の展開についてお話を頂いた。

▲齊藤充司氏

――「ボードゲーム合同展示商談会」を開催するに至った経緯についてお聞かせください。

齊藤充司氏(以下、齊藤):すごろくやでは、2006年にボードゲーム販売店として創業して以来、ボードゲームイベントをはじめ自社製品の開発、輸入販売、卸売などを総合的に行ってきました。

近年ではボードゲームが徐々に商材として認知度が高くなってきたこともあり、東急ハンズやロフト、ドン・キホーテ、トイザらス、イオンといった量販店でも取り扱って頂いております。こういった量販店での扱いが増えたことにより、ボードゲーム市場が拡大した印象がありますね。

とはいえ、国内のボードゲーム市場は海外と比較するとまだまだ規模が小さいため、おもちゃショーやギフトショーのようなBtoBのイベントがありませんでした。そこで、商材としてもっと注目していただけるよう、2018年から商談会を主催させて頂いた形になります。

 

――商談会では、来場者からどのような質問や相談が寄せられるのでしょうか。

齊藤:新商品の詳細や人気作、セールスポイントについてのご質問・ご相談が多いです。ボードゲームは見た目やルールからでは面白さが伝わりにくいため、お客様に商品の魅力や価値について、いかにお伝えできるかが重要なポイントになっています。

 

――ボードゲームについて興味を持ってもらうために、具体的にどのような説明が求められるのでしょうか。

齊藤:作品そのものの魅力についてはもちろんですが、ボードゲームデザイナー(ボードゲームの製作者)や過去作、受賞作などの情報がセールスポイントになる場合は、しっかりとお伝えするようにしています。

今回の商談会では、雑貨店や書店、アパレルショップといった異業種でもすごろくやのボードゲームが展開しやすくなる、“新たな商品お届けの仕組み”を提供するサービス「すごろくやスタンド」のご紹介もさせて頂きました。

 

――すごろくやスタンドとは、どのようなサービスなのでしょうか。

齊藤:すごろくやの商品セットを専用の棚と一緒に購入して頂くことで、店舗内に“小さなすごろくや”を展開できるといったサービスになります。弊社の商品の販売を行う店舗を増やすことを目的としていますので、契約料やマージンなどは一切設けておりません。

新商品の案内や告知・販売促進キットの提供、商品知識・接客ノウハウの研修といったサポートも充実しております。

 

――ありがとうございます。ボードゲームの市場が広がっているとのことですが、なかでもどういった作品が人気なのでしょう。

齊藤:単語カードを組み合わせてひとつのセリフを作り上げる『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』や、お題に沿った表現を演じる『はぁって言うゲーム』など、ルールがシンプルで分かりやすい作品が人気です。大人数でもワイワイ楽しめるような作品が、最近ボードゲームに興味を持って頂けたようなライト層にも手に取って頂きやすいですね。

 

――近年の流行りの一つとして、マーダーミステリーがありますね。

齊藤:マーダーミステリーはゲームの仕組みとして目新しいものがあり、それが一部のボードゲームファンやコアなユーザーに刺さったことが、流行した理由であると分析しております。

マーダーミステリーのブームが量販店での売り上げに繋がっているかというと、また違っているようで。ボードゲームカフェ等の施設を中心に、話題に上がっているという印象ですね。

 

――最後に、今後の活動についてお聞かせください。

齊藤:第4回目となるボードゲーム合同展示商談会はコロナ禍でオンラインでの開催となり、参加がしやすいというメリットがある一方で、ボードゲームを実際に自分の目で見て、手で触って確かめたいといった需要があることも承知しております。

今後の商談会については、衛生面など状況を鑑みながら、以前のようにオフラインでの実施も検討していきたいと考えております。ボードゲームの魅力についてしっかりと発信していきますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

 

――ありがとうございました。

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島中 一郎(Ichiro Shimanaka)
島中 一郎(Ichiro Shimanaka)https://www.foriio.com/16shimanaka
ライター。ゲーム・アニメ業界を中心にニュース記事の執筆、インタビュー、セミナー取材などマルチに担当。ボードゲームが趣味であり、作品のレビューや体験会のレポートを手掛けるほか、私生活で会を催すことも。無類のホラー好き。

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