青山学院大学総合プロジェクト研究所「知財と社会問題研究所(SSP-IP)」とバンダイナムコエンターテインメントは、共同で「ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究」の研究を2021年1月に開始した。
研究は、ゲームコンテンツにおけるアクセシビリティの向上、ポリティカルコレクトネスへの配慮、ダイバーシティ&インクルージョンの推奨といったテーマのもと、安心して遊べるゲームコンテンツを長期的に提供し続けることを目指すものとなる。
共同研究メンバーには「鉄拳」シリーズなどを手掛ける原田勝弘氏も在籍。6月26日に予定されるスタートアップシンポジウムにも登壇する。
<以下、プレスリリースより引用>
企業の知的財産を活用した社会課題解決に向けた研究を行う青山学院大学総合プロジェクト研究所「知財と社会問題研究所<Solving Social Problems through Intellectual Properties/以下SSP-IP〉(東京都渋谷区、所長:竹内孝宏)」と株式会社バンダイナムコエンターテインメント(東京都港区、代表取締役社長:宮河恭夫)は共同で、「ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究」を2021 年1 月より開始しました。
本研究では、主にゲームコンテンツにおけるアクセシビリティやポリティカルコレクトネス(社会的包摂を目指すための社会課題の探求)、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の尊重と包摂)などをテーマに、より多くの方が安心して遊べるゲームコンテンツを長期的に提供し続けることを目指します。また、6 月26日には本共同研究のスタートアップシンポジウムを実施いたします。
主な研究内容
1.アクセシビリティの向上:
より多くの方が快適に楽しめるゲームの研究を行います。
2.ポリティカルコレクトネスへの配慮:
社会的包摂を目指すための社会課題の探求を行います。
3.ダイバーシティ&インクルージョンの推奨:
エンターテインメントにとってのダイバーシティやインクル―ジョンとは何かを追究していきます。
青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉との共同研究に至った背景
ゲーム業界の昨今の動きのひとつに、アクセシビリティ、ポリティカルコレクトネス、ダイバーシティ&インクルージョンに関する社会からの要請の高まりが挙げられます。これはesportsや動画配信サイトなどの浸透による、ゲームコンテンツ視聴機会の増加が影響していると考えています。
同時にバンダイナムコエンターテインメントでは、ゲームが社会的包摂、多文化共生への理解を促進するなどの社会課題解決の一助になり得るという点から、この動きを次世代のゲームコンテンツへの期待であり機会と捉えています。
一方、ゲームコンテンツの企画・開発過程で、上記テーマを鑑みた適切なあり方の検討においては、配慮すべき点が多岐にわたることや上記テーマの論点が常に変化し複雑化しているなどの理由から、一筋縄ではいかない状態であることも感じています。
そのような課題認識の中で、このたび青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉が持つアカデミックな視点を取り入れながら、共同研究を開始するに至りました。
青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉では、esportsに関する研究や発表等を行ったメンバーが在籍しており、今回は本メンバーと共同研究を進めます。青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉の研究の知見と、バンダイナムコエンターテインメントのゲームを中心としたエンターテインメントに関する知見が融合し実践的な研究を行うことで、ゲームを通してすべての人が共に尊重し、成長し合う社会の実現を目指します。
「ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究」今後の活動
本共同研究は、2021 年6 月26 日(土)にスタートアップシンポジウムを実施します。シンポジウムには、青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉に在籍するメンバーに加え、共同研究メンバーでありバンダイナムコエンターテインメントで対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズなどを手掛ける原田勝弘が登壇、現在のゲーム業界の状況や課題を織り交ぜながら研究の展望についてディスカッションを行います。
さらに9 月の青山学院大学公開講座「ゲームフル・ソサエティ:社会はゲームとどう向き合うのか」内では、ゲスト講師として原田の登壇回も予定しています。定期的な議論を中心とした研究活動を通じて、バンダイナムコエンターテインメントのコンテンツ提供における知見とするのみならず、並行して業界全体に知見を共有しながら、ゲームが社会課題を解決する一助となるべく取り組んでまいります。
また、青山学院大学総合プロジェクト研究所〈SSP-IP〉では将来的に研究内容の論集執筆等も予定しています。
「知財と社会問題研究所〈SSP-IP〉」所長 竹内孝宏(青山学院大学 総合文化政策学部教授)コメント
この画期的なプロジェクトの発足にあたり、これまでご尽力くださったすべての方々に深く感謝いたします。
〈SSP-IP〉としてもたいへん光栄なことで、胸が踊ると同時に身が引き締まる思いです。企業等が所有する知的財産を活用して、さまざまな社会問題を解決するためのモデルを構築するというのが、我々に与えられたミッションにほかなりません。
そうしたなか、ゲームという知財は、さしずめひとつのパラドクスともいえます。ゲームそれ自体が、社会問題の原因として注目されることも少なくないからです。しかし、それだけになおさ
ら、この共同研究には大きな意義があると考えています。有益な研究成果を社会にお戻しすることができるよう、鋭意努力していく所存です。
「ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究」スタートアップシンポジウム概要〈予定〉
名称:知財と社会問題研究所スタートアップシンポジウム:ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究
日時:2021 年6 月26 日(土)14:00 開始
場所:青山学院大学 青山キャンパス 17 号館6 階 本多記念国際会議場
対象:一般(事前申込制/参加費無料)
内容:「知財と社会問題研究所」趣旨説明、設立の経緯
「ゲームを活用した社会課題解決の可能性の研究」共同研究の紹介
基調講演、パネルディスカッション
※あくまで現時点の予定となります。
※申し込み方法を含む詳細は今後開設を予定している特設サイトをご確認ください。