Cygames 2021年9月期 売上高2,221億円に。『ウマ娘』の軌跡をはじめ、長けた経営戦略・運営手腕の高さを振り返る

 Cygamesは、2021年12月13日付の官報に第11期(2021年9月期)決算を掲載した。

 2021年9月期の売上高は2,221億2,100万円(前期比101.1%増)、営業利益は900億7,100万円(前期比261.9%増)、経常利益907億2,100万円(前期比273.1%増)、純利益638億8,500万円(前期比295.9%増)となり、前期比で大幅な増収増益を達成した。

▲サイバーエージェントの有価証券報告書や官報をもとに当編集部でグラフを作成(クリックで拡大)。

 Cygamesの売上高推移をグラフで見ると、安定した業績も然ることながら、ゲームアプリのラインナップにも目を見張るものがある。毎年新作をリリースしていることはもちろん、RPG(アクション・シミュレーション含む)やリズムゲーム、デジタルTCGから果てはピンボールまで、多様なジャンルをラインナップとして取り揃えている。

 直近では『ウマ娘プリティダービー』の大ヒットで2021年9月期の急激な伸びに目を奪われてしまうが、2016年9月期から2020年9月期までの5年間について、さまざまなタイトルが貢献したことも注目に値するだろう。

 上記のグラフで挙げているタイトルは一部だが、それぞれ中ヒット・大ヒットなどその成績は異なる。しかし、新作が思うようなヒットに至らなくとも、既存タイトルや次の新作が補うなどして、盤石なアプリポートフォリオを構築していることが売上高推移から見て分かる。

 Cygamesには10周年や5年以上にも及ぶ、いわゆる長期運営タイトルが多数存在する。開発力の高さはもとより、改めて長けた経営戦略・運営手腕の高さを感じた。

▲8年目を歩んでいる『グランブルーファンタジー』(2014年3月リリース)。直近ではオンラインイベントも開催。長期運営タイトルとは思えないほど活性化している。ゲーム内アップデートやプロモーション、マーチャンダイジングに至るまで、中だるみさせない運営施策はCygamesの強みのひとつだろう。

 

「ウマ娘」が覇権を握る

 ここからは今回の業績に最も貢献したであろう『ウマ娘 プリティーダービー』について振り返っていく。

 同作は2021年2月24日にリリースされたスマホ向け育成ゲーム。新プロジェクトとして2016年に発表されて以来、紆余曲折を経てのサービス開始となった。そして、リリースされるやいなやApp StoreとGoogle palyのストアでセールスランキングを席巻。常にセルランの上位に位置し続けている。

▲2021年2月24~4月24のセルラン。初動から1位に躍り出たのち、長期間首位を独占した。
画像はアプリ分析ツール「LIVEOPSIS」より。クリックで拡大。

 「ウマ娘」は実在の競走馬をモデルとし、リスペクトに溢れたシナリオを展開することから、ゲームファンのみならず一定の競馬ファンの心にも刺さる内容で評価を得る。アプリはリリース後、約7ヵ月で1,000万DLを突破。10月29日時点では1,100万DLを記録している。

 メディアミックス展開も好調で、同時期に放映されたTVアニメ2期も大いに盛り上がり、コミカライズである『ウマ娘 シンデレラグレイ』(漫画:久住太陽、原作:Cygames、脚本:杉浦理史、漫画企画構成:伊藤隼之介/集英社)は、2021年上半期のコミックス第1巻売上ランキング(※)で首位を獲得した。

※日本出版販売が運営するWEBメディア「ほんのひきだし」が発表した「コミックス第1巻売上ランキング」。2021年1月1日~6月30日に第1巻が発売されたコミックスを対象に、その第1巻の発売日~6月30日の売上冊数を集計(単巻作品、続編、スピンオフを含む/ファンブック、アンソロジーは除く)。

(C)久住太陽・杉浦理史・伊藤隼之介/集英社/Cygames, Inc.

 複数のメディアで大きな話題を呼んだこともあり、2021年度「新語・流行語大賞」では新型コロナ関連・東京オリンピック関連のワードが多く連なる中で、「ウマ娘」ということばがノミネート。さらに、Googleが発表する2021年の急上昇ワードでも、日本全体の6位にランクインした。まさに2021年を代表するコンテンツのひとつと言える。

 そのほか、エイプリルフールイベントなどで大きな話題を集めた『グランブルーファンタジー』を筆頭に、『プリンセスコネクト!Re:Dive』、『Shadowverse』といった他タイトルも安定した人気を保った。

 この1年、Cygamesの売上を大きく牽引した『ウマ娘 プリティーダービー』。2022年は2月の周年施策を始め、海外展開にも目が離せない。そして「ウマ娘」のさらなる飛躍に期待しつつ、同社の手掛ける『Project GAMM』などコンシューマーへの展開にも注目だ。

この記事が気に入ったら
いいね ! お願いします

Twitter で
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

PickUP !

急成長のNextNinjaが全職種積極採用! 代表・山岸氏が本気で求める人材像とは

[AD]飛躍の時を迎えつつあるNextNinjaは今、全力で新たなチャレンジャーを探している。「全職種積極採用」を掲げる組織戦略と、求める人材像とはいかなるものなのか。代表の山岸氏に直接話を聞いた。

Related Articles

リニューアル及び新サイト移行作業につき更新一時停止中

具体的な日時は調整中ですが、リニューアル及び新サイト移行作業が完了した際には、PickUPs!上でもお知らせ致します。またメールマガジンにご登録していただいた方には優先して告知致します。

Stay Connected

TOP STORIES