スクウェア・エニックス・ホールディングスは2月4日、2022年3月期 第3四半期の決算資料を公開し、デジタルエンタテインメント事業におけるMMO売上が前年同期比163%の482億円にのぼったことを明らかにした。
同社の見立てによると、MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)の売上増には『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)の月額課金会員数が大幅に増加したことに加え、12月7日に発売された拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』の好調が大きく寄与したという。
先駆ける11月11日には『ドラゴンクエストX オンライン』の拡張パッケージ『天星の英雄たち』も発売され、前年のQ3累計295億円に対して大幅増収となった。
第2四半期決算説明会資料によれば、2022年3月期の上期MMO売上は277億円とされていることから、Q3(10月~12月)のみで205億円の売上となり、驚異的な伸びを記録している。
デジタルエンタテインメント事業全体では、売上・営業利益ともに右肩上がりに推移している。しかし、HDゲームは減収、スマートデバイス・PC ブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいても微増となり、結果としてMMOの躍進が事業の下支えとなった形だ。
『FF14』躍進の背景
増収に大きく寄与したとされる『FF14』は、2013年に『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のサービスを開始して以来、2年に1度のペースで拡張パッケージを発売。
12月7日発売の『暁月のフィナーレ』では、これまで『FF14』で描かれてきたメインストーリー「ハイデリン・ゾディアーク編」が完結し、新たな物語の幕開けとなる節目の拡張パッケージとなった。
『暁月のフィナーレ』発売に先立つ7月には、有名ストリーマーの影響もあり、公式文「プレイヤーの増加傾向および、それに伴うワールド内の混雑やその対応状況について」が掲載されるほどに新規プレイヤーが殺到。発売直前のタイミングには全世界累計アカウントが2,500万人を突破(関連記事)するなど、大きな盛り上がりとなっていた。
その盛り上がりは、世界的な半導体不足によるサーバー増設の遅れ等の理由もあり一時的な販売停止を招くほど(12月16日当時のお知らせ)。
今後、『FF14』は2022年から2023年にかけて、莫大な費用と人的コストをかけ、大規模な環境増強を行っていく方針。同社のデジタルエンタテインメント事業における柱として、更なる拡大が期待される。