クラウドファンディングのKickstarterでは、昨年1年間で441のゲーム開発プロジェクトが資金調達に成功した。これは過去12年で最多の件数となる。ヨーロッパのゲームビジネスコンサルタント ICO Partnersの調査で明らかとなった。
インディーゲームの開発ではクラウドファンディングの利用が広がっている。
2019年にコナミ出身のゲームクリエイター・五十嵐孝司氏が『Bloodstained: Ritual of the Night』(開発:ArtPlay, 配信元:505 Games, Steam, PlayStation4, Nintendo Switch)の開発費をKickstarterで調達したケースをはじめ、直近では今年2月にタイのインディー系ディベロッパーSquid Shock Studiosが和風アクション・アドベンチャーゲーム『Bo: Path of the Teal Lotus』の開発プロジェクトをKickstarterで立ち上げ、キャンペーン開始から約2日間で35,000ドル(約400万円)の支援を獲得した。
なお、2022年2月23日現在の支援額は136,073ドル(約1,560万円)にのぼり、目標を大きく上回っている。
また、ボードゲームでもクラウドファンディングの成功事例は多い。
アナログゲームの開発で知られるオインクゲームズ(本社:東京都港区)は2021年5月、同社のボードゲームをNintendo Switch向けにデジタル化する開発プロジェクトを公開し、Kickstarterで約650万円の支援が寄せられた。その半年後、12月16日に同社はMy Nintendo Storeで『レッツプレイ!オインクゲームズ』の販売を開始。任天堂の公式番組「Indie World」で取り上げられたことで一気に注目を集めることとなった。
デジタルゲームの開発プロジェクトにおけるKickstarterでの資金調達の総額は2,400万ドル(約27億円)だった。2020年の2,600万ドルから微減となったが、ここ数年は堅調に推移している。
クラウドファンディングは資金調達の手段であると同時に、マーケティングとしても強力だ。デジタル、アナログ共にクラウドファンディングがゲームビジネスにおいて新しい選択肢となりつつある。