2月24日より続く、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、SNSなどを通じて多くのゲーム会社が声明を発表し、支援を呼びかけている。
ウクライナの隣国、ポーランドのデベロッパーである11 Bit Studiosは、『This War of Mine』のDLCを含む全店舗・全プラットフォームでの販売による利益を、今後1週間(2月25日~)、特別基金に寄付すると表明。この基金はウクライナ赤十字に寄付され、同国の戦争被害者の支援に充てられる。
同じく、CD Projektが所有するPCデジタルマーケットプレイスGOG.comも、プラットフォーム上での『This War of Mine』およびDLCの販売による利益をすべてウクライナ赤十字社に寄付することを発表している。
『This War of Mine』は、2014年のクリミア危機をテーマに、兵士ではなく、無力な一般市民として過酷な生活を体験するサバイバルシミュレーションゲーム。
ゲームの中には反戦の意が込められており、過去には武力の影響を受けた子供や若者を支援する非政府組織「War Child」へ全ての売上げを寄付するDLCとして「War Child Charity」(2018年)をリリース。その寄付額は50万ドルを突破した。
そして、ウクライナに拠点を置くFrogwares、GSC Game World 、Vostok Games、Sengi Gamesなど、多くのゲーム会社がロシアの行動に関してSNSを通じて声明を発表。「#StopRussianAggression」や「#StandWithUkraine」などのハッシュタグを使用して呼び掛けている。
Frogwaresは、若き日の名探偵を描いたオープンワールド推理ADV『シャーロック・ホームズ チャプター・ワン』など複数の「シャーロック・ホームズ」作品を手掛けていることで知られる。同社は2件のツイートを投稿し、ロシアの侵攻停止を訴えかけている。
訳「黙って見ているわけにはいかない。ロシアは私たちの祖国を攻撃し、ウクライナの主権を否定しています。私たちは安全な場所にいようと努力しているが、これは戦争です。
私たちは、プーチンを私たちの土地から撤退させるために、すべての人に呼びかけます。
私たちは平和国家であり、独立以来、一度も人を攻撃したり脅したりしたことはありません。
このような状況ですから、私たちの仕事にも影響が出ますし、生活も破壊されかねません。」
一方、「S.T.A.L.K.E.R.」(ストーカー)シリーズの開発元であるGSC Game Worldは、ウクライナ国立銀行が同国の軍隊のために開設した特別な募金口座への寄付を呼びかけている。
訳「今日、ロシア連邦は公式にウクライナに宣戦布告しました。私たちの国は、爆発音と武器の発射音で目覚めましたが、その自由と独立を守る準備ができています。
将来は未知数ですが、我々は軍隊とウクライナに対する信念に確信を持って最善を尽くします。
そこで、ゲーム業界の仲間たち、プレイヤーたちに呼びかけます。この投稿を見た人は、これをシェアして、困っている人を助けてください。
ウクライナ軍を支援するための特別支援アカウントです。
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世界中からの送金が可能です。
痛み、死、戦争、恐怖、非人間的な残酷さを通して、ウクライナは耐え抜くでしょう。いつもそうであるように。」
GSC Game Worldの「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズに携わった元スタッフが立ち上げたVostok Gamesもまた、ウクライナ国旗の画像をツイートし「#StandWithUkraine」(ウクライナと共に)のハッシュタグを添えている。
中世ファンタジーのアクションADV『The Serpent Rogue』を開発しているSengi Gamesは、愛と平和を訴えつつ、ゲームに関する問い合わせに対応することが難しくなる旨を伝えている。
訳「親愛なる皆様、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちはウクライナに拠点を置いています。今日、私たちの国はロシアに攻撃されました。彼らは宣戦布告をし現在、私たち市民を攻撃しています。
私たちは、ゲームに関してそれほど多くの回答や手助けをすることはできません。
皆さんに愛と平和を!」
そのほかにも、18世紀のウクライナが舞台の都市建設シム『Ostriv』(2020年3月発売)を提供しているyevhen8は、29の慈善団体をリストしたRedditフォーラムへのリンクを掲載し、支援を呼び掛けている。