2021年のコミックスの国内販売額は、紙媒体(単行本と漫画誌)と電子版(広告収入を含まない)を合わせて6,759億円だった。前年比10.3%の高い成長率を示し、2年連続で過去最高を更新した。全国出版協会・出版科学研究所の調査で明らかとなった。
国内販売額6,759億円の内、紙媒体の販売金額は2,645億円、電子版は4,114億円だった。それぞれの比率はおよそ4:6で、2019年に電子版が紙媒体の割合を初めて上回って以来、コミックス市場は電子版が主流となっている。
紙媒体のコミックスをさらに分類すると、単行本の販売額は2,087億円で前年比0.4%の微増、漫画誌は558億円で前年比11.0%減だった。 漫画誌は人気作品の最終回掲載号や漫画家の追悼号などで一時的に販売部数が伸びることはあったものの、3年連続の大幅減となり、厳しい状況だ。
一方、電子版のコミックスは前年比20.3%と大幅な成長を見せた。
新型コロナウイルス感染拡大による自粛生活を背景に電子版の購入者が増加し、さらに「鬼滅の刃」ブームが未だ健在であること、そして「呪術廻戦」「東京卍リベンジャーズ」のヒットが追い風になった。女性が主人公の異世界転生作品も人気を集めている。また、新しいトレンドとして「縦スクロールコミック」が定着しつつあり、これも電子版コミックスの販売を後押しした。