アメリカのビジネスパーソン向けメディア「Business Insider」により、マイクロソフトが基本プレイ無料タイトルにおけるゲーム内広告(In-Game Advertising)の導入を検討しているとの報道が行われる中(関連記事)、4月22日には新たにソニーによる同様の計画が検討されているとの報道が行われた。
「Business Insider」によるとその計画は1年半前より立ち上がっており、アドテック(AdTech=Advertising Technology)企業と提携してゲーム開発者がゲーム内広告を作成できるように技術開発を進めているという。
広告の形態についてもマイクロソフトと同じく、ゲームプレイを阻害しない形での実装を考えているようだ。
詳細は不明だが、ゲームプレイを妨げない広告というと、現実のスポーツシーンでよく見られるような、ゲーム内に看板や掲示板、サイネージなどの広告を設置するような形式だと考えられる。
直近のゲーム業界での事例では、コロプラの『白猫テニス』が、イギリス・ロンドンに本拠を置くAdmixと提携し、ゲーム内コートの外側に広告看板を設置する試みを実施(関連記事)。こうしたデジタル広告をAdmix は「In-Play広告」と呼称しており、海外では一般的になりつつある形式であるという。
ゲーム内広告を導入するメリットとしては、基本プレイ無料タイトルを提供するゲーム開発者に対して、マネタイズの方法を確立できることが挙げられる。開発者がゲーム開発に注力できる環境づくりは、プラットフォーマーとしても整備したいところだろう。
しかし同時に、広告の内容によってはゲームの世界観を歪めてしまう懸念もあり、ユーザーの広告に対する忌避感について注意する必要がある。報道によると、ソニーは広告主を厳格に審査し、メールアドレスや名前などの個人情報の収集はブロックする姿勢とのこと。
現在、PlayStationプラットフォーム内で実装されている広告といえば、PS Store内でパブリッシャーやデベロッパーが自社の特定タイトルを表示する機能や、ストリーミング配信サービスを提供するアプリ内での広告といったもの。ソニーのゲーム内広告に関するアプローチは、年末までに開始されるとしている。