スクウェア・エニックス・ホールディングスは5月2日社、同社グループの海外スタジオ及び一部IPの売却に関して、Embracer Group ABとの間における株式譲渡契約を締結したことを発表した。譲渡額は3億ドルとしている。
主な売却対象は、同社グループの子会社が保有するCrystal Dynamics(『Marvel’s Avengers』、『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』など開発)やEidos‐Montréal(『Marvel’s Guardians of the Galaxy』など開発)といった北⽶の開発スタジオが中心。加えて「TOMB RAIDER」シリーズ、「Deus Ex」シリーズ、「Thief」シリーズ、「Legacy of Kain」シリーズといった一部IPが対象となる。
今回の売却に至ったのは、同社の中期業績⽬標達成にむけた事業戦略(IPエコシステムの強化、新規領域への挑戦、およびWithコロナ時代に対応した事業構造の最適化)に基づいた判断だという。
売却の企図としては、まずひとつに経営資源の最適配分が挙げられ、よりユーザーの需要に応えるタイトル開発と収益性向上の実現を目指す。新規IP創出やIPの育成により、同社の中核であるデジタルエンタテインメント事業のポートフォリオ再構築を進める。
また、今後発売される国内外スタジオ開発タイトルのワールドワイドでの売上最⼤化に向け、現⾏のガバナンス体制・レポートラインを⾒直し、グループ⼀体経営を推進。CPO(Chief Publishing Officer=最⾼パブリッシング責任者)設置によるグローバルパブリッシング体制の強化拡充、およびグループ⼀体経営による意思決定の迅速化を見込む。
そして、スクエニが掲げる重点投資領域(ブロックチェーン、AI、クラウド)への投資を推進し、グローバルベースでの新規事業の⽴ち上げ、 収益化を加速させる狙い。
なお、今後の開発体制は、日本国内の各スタジオと、海外のSquare Enix External Studios、 Square Enix Collectiveが担う。また、新規スタジオ設⽴、M&A等によるタイトル開発⼒の増強も行っていく方針とのことだ。