Nianticは5月24日、同社が開発者向けに行っているイベント「Lightship Summit」において、新たに「Lightship VPS」(ビジュアルポジショニングシステム)を発表した。
「Lightship VPS」ではユーザーの現在の位置と向きを判断することで、ARコンテンツをセンチメートル単位の精度で配置することが可能。これら正確な位置把握と最新のARマップにより、よりリアルな没入型ARを実現できるという。
現在、世界中の6都市(サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、ロンドン、東京)における約30,000のロケーションで利用可能となっている。対応するロケーションは、公園や小道、目印となる建物、地元の企業など、一般の人がアクセスできる場所が中心となっている。
なお、これまでNiantic の開発者をはじめ、測量士や『Ingress』、『Pokémon GO』などのプレイヤーから集まったスキャンデータにより、1700万件以上のロケーション情報が集まっているとのこと。そうしたデータのもと、今後「Lightship VPS」で利用可能な範囲は拡大していく予定。
Lightship Summitでは他にも、Niantic のゲームやマップ機能を起点として人やイベント、コミュニティと出会い、メッセージのやり取りができるSNS「Campfire」(キャンプファイア)なども発表した。
Nianticはかねてより「現実世界のメタバース」(リアルワールド メタバース)を提唱しており、仮想世界ではなく現実世界を主軸としたメタバース構想を打ち出している。「Lightship VPS」による没入感の高いAR体験や、「Campfire」を通じてユーザー同士やコミュニティの繋がりを強めることで、独自のメタバース構築を推し進めていく方針だ。