
コーエーテクモゲームスは6月3日、中国の杭州绝地科技股份有限公司に対して起こしていた著作権侵害等の行為に関する訴訟について、和解が成立したことを発表した。
訴訟は杭州绝地科技股份有限公司が配信・運営するスマーフォン向けアプリのWEB広告に、コーエーテクモゲームスの『真・三國無双』、『信長の野望』、『三國志』及び『太閤立志伝』の音楽やゲーム画像を、許諾なしに継続的に利用していたため、コーエーテクモゲームスが2020年1月17に著作権侵害等に該当するとして、東京地方裁判所に提起していたものだ。

リリースによれば、裁判所は杭州绝地科技股份有限公司の『我が天下』、『戦国布武~我が天下戦国編~』及び『三国炎血伝』に関する広告画像13種、および及び広告動画1種について、コーエーテクモゲームス著作権、著作隣接権、及び著作者人格権を侵害するものであり、その態様も悪質といわざるを得ないと判断すると述べた上で、下記の条件による和解を勧告したという。
(1)被告は、当社に対し、被告画像及び被告動画の利用が、当社の著作権、著作隣接権 及び著作者人格権を侵害することを認め、当該利用について謝罪する。
(2)被告は、当社に対し、解決金として金500万円を支払う。
(3)被告は、和解成立日時点で、被告画像及び被告動画のデータが被告の保有するす べての記録媒体から抹消されていることを誓約する。
(4)被告は、被告画像の公衆送信及び被告動画の送信可能化(インターネット上に アップロードすること等)を行わない。
杭州绝地科技股份有限公司からは和解勧告以前に、侵害を認めた上で和解の申し入れがあったとのことだが、コーエーテクモゲームスはこれを受け入れず、著作権等を侵害している旨の判決を求めていた。
これは「他人の著作物を無断で利用しても、それを指摘された際に和解金を支払いさえすれば解決できる」という安易な認識を排除するための方針であり、まるでコーエーテクモゲームスの作品であるかのように誤認させる行為は、ユーザーにとっても不利益を与えるとして、権利侵害に対して毅然とした対応を行っている。
今回裁判所から提示された和解勧告では、侵害の事実が認められ、その態様についても悪質であると判断しており、杭州绝地科技股份有限公司も侵害を認め、条件を受け入れた上で謝罪。これにより、コーエーテクモゲームスは同社の知的財産権保護の方針に沿うものであると判断し、和解の受け入れに至ったという。