北米教育eスポーツ連盟(NASEF)は2022年8月に、特定非営利活動法人 北米教育eスポーツ連盟 日本本部(NASEF JAPAN)を設立予定であることを発表した。
NASEF JAPANは2020年11月に発足した任意団体で、“子どもたちがいる(興味・関心がある)ところに大人が出向く”という理念のもと、eスポーツ国際教育サミットや高校生向けのeスポーツ大会を開催し、eスポーツを活用した教育、人材育成の支援を進めてきた。
同団体はNPO法人化に際し、独自コンテンツ事業や、教育コンテンツの普及や筑波大学を始めとした大学・研究機関と連携した「eスポーツの教育的効果」に関する研究などに尽力するという。
2022年内に予定されているNASEF JAPANの注力活動の一部は下記の通り。
■ NASEF独自のコンテンツ開発
eスポーツ部向けガイドライン(設立準備編・運営編)の作成/提供
eスポーツ部・パソコン部向けSTEAM教育コンテンツの作成/提供
既に日米の学校現場で実践されている教育コンテンツの編集/提供
■ 普及と啓発
NASEF Farmcraftを中心とした教育コンテンツの普及/啓発
教員向けセミナー/情報交換の実施
教員相互のコミュニティづくり
■ 調査研究
筑波大学をはじめとした大学・研究機関と連携した「eスポーツの教育的効果」に関する研究
注目なのはNASEFが開催する『Minecraft』を用いて、農業生産技術を学ぶコンクール“Farmcraft”を中心とした教育コンテンツの普及だろう。
Farmcraftは日本国内でもプログラミング学習などで用いられている『Minecraft Education(教育版のMinecraft)』を活用したコンテストで、ゲーム内の独自の環境に合わせて農場を作り、土壌や水、そこから得たお金などのスコアを競い合うというもの。
コンクール自体の知名度はまだ国内では低いものの、今年5月までに行われた「NASEF Farmcraft 2022」では山口県⽴修館⾼等専修学校の生徒が参加し、全世界から集まった1,000以上のチームの中で3位に輝いている。
NASEF JAPANはNPO法人化により活動の幅を広げられるとしており、今後の活躍次第ではFarmcraftのような日本の生徒たちが世界へ羽ばたくケースの増加も期待できるだろう。