コジマプロダクションは7月9日、同社の公式Twitterアカウントを更新し、フェイクニュースやデマの拡散に強く抗議し、遺憾の意を表明する内容の声明を投稿した。
声明文は同社が運営している日本語アカウント、英語アカウントでそれぞれ投稿。「フェイクニュースやデマの拡散が個人の尊厳を傷つけている」とし、英語ツイートではこれらの名誉棄損行為に対して「場合によっては法的措置も検討する」といった内容の文言も見受けられた。
これらのツイートに関して、同社は明言こそしていないものの、背景には「安倍晋三元首相を銃撃した犯人が小島秀夫氏である」という内容のフェイクニュースが拡散・報道されたことが挙げられる。小島秀夫氏はコジマプロダクションの創業者であり、「メタルギア」シリーズや『DEATH STRANDING』などのゲーム作品で世界的に有名なクリエイターだ。
この悪質なフェイクニュースが拡散された経緯としては、以下のような流れがある。
・7月8日、安倍晋三元首相が奈良県での遊説中に銃撃され死亡するという事件が発生。
・この事件が世界各国で報道されると、海外の匿名掲示板サイト「4Chan」で銃撃犯と小島氏を関連付ける悪質なデマが投稿(ジョークであると思われる)。
・その内容を見たフランスのコメディアンGeorges Jordito氏が、そのデマを揶揄するツイートを投稿。
・そしてコメディアンの投稿を受け、政治家であるDamien Rieu氏がデマを真実であると「勘違い」し、ツイートで取り上げ、小島氏の画像を使用し拡散。
こうした流れのなかで、ギリシャやイランの報道機関でニュースとして取り上げられる事態にも発展。匿名掲示板での悪趣味なジョーク(「アジア/日本人の顔は見分けがつかない」という人種差別的意味合いを含む)を発端に、海外メディアでフェイクニュースが拡散されることとなってしまった。
なお前述の通り、フェイクニュース・デマの拡散行為による名誉棄損に対して法的措置の検討を表明したコジマプロダクションだが、この件に関して同社および小島秀夫氏は直接的に言及していない。