任天堂が同社のWebサイトで掲載している「CSR情報」について、国内のゲームメディア「電ファミニコゲーマー」が7月13日の記事で取り上げたことをきっかけに、ネット上では昨年導入された社内制度に注目が集まっている。
任天堂は、同社のCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)を「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」と定義。かねてより「お客様」、「サプライチェーン」、「社員」を重点項目に設けており、2022年からは新たに「環境」を加えた4つを重点項目として活動を行っている(環境配慮に関する活動も2022年以前から取り組んでいる)。
特に注目が集まっているのは、多様性のある職場の実現を目指し2021年3月に導入した「パートナーシップ制度」について。
この制度は、婚姻関係に相当する同性パートナーがいる社員について、社内制度において婚姻と等しく扱うもの。同時に、事実婚関係にある異性カップルについても、社内制度において、法律上の婚姻と同等に扱うように定めている。
加えて社内のハラスメントに関する規程を改訂し、性的指向・性自認に関する差別的な発言や、いわゆる「アウティング」行為(※他人の性的指向や性自認を本人の了承なく第三者に公表すること)を明確に禁止した。
なお任天堂は毎年「CSRレポート」を発行しており、上記の内容も2021年6月末に掲載された。そして今年6月29日に該当のWebページがレイアウトを再構成した「CSR情報」として更新されたことで、改めて注目が集まった形。
直近でも「Nintendo Switch(有機ELモデル)」における環境配慮や、サプライチェーンへの働きかけ、米国任天堂でのインクルージョンを促進するための活動などが紹介されている。
例えば、「Nintendo Switch」は2017年発売当初のモデルは消費電力が約12W(※TVモード準拠)だったところ、2021年発売の「Nintendo Switch(有機ELモデル)」は約6Wにまで低減させることに成功したという。