「Halo」の343 Industriesを15年間率いたBonnie Ross氏が退職 ゲーム業界全体における多様性の促進にも尽力している人物

 米ゲーム開発会社343 Industriesの代表Bonnie Ross氏は9月13日、同社を退職する予定であることを明らかにした。理由は「家族の健康上の問題のため」としている。

 マイクロソフト傘下の343 Industriesは、「Halo」シリーズの開発を専門とするスタジオ。同シリーズを生み出したBungieが『Halo3』を開発した後にマイクロソフトから独立したことを受け、2007年に設立された。以降、Bonnie Ross氏が15年に渡ってスタジオを率い、『Halo Infinite』や『Halo: The Master Chief Collection』、実写ドラマシリーズなどを手掛けた。

 声明によると、本来は『Halo Infinite』で予定しているウィンターアップデートをリリースするまで携わる予定だったそうだが、家族の健康上の理由で叶わなかったようだ。

▲ファンに向けて「『Halo』コミュニティの皆様、ありがとうございました。Haloの未来は明るいです。10月に開催されるHalo World Championship(eスポーツイベント)で、いちファンとして皆さんと一緒に応援するのが待ち遠しいです。」とコメント。

 後任には開発部門の責任者を務めていたPierre Hintze氏が就任。シニアリーダーシップチームには、フランチャイズのゼネラルマネージャーにBryan Koski氏、ビジネスとオペレーションの統括にElizabeth Van Wyck氏が新たに就任し、チームの再編成を図る。

 なおBonnie Ross氏が言及した『Halo Infinite』のウィンターアップデートについては、11月8日から翌年3月7日にかけて実施される予定。現在、ロードマップが公開されており、新マップ、新モード、新武器などの追加予定が明らかになっている。かねてより開発が進められていたシリーズ伝統の「分割画面Co-opキャンペーン」については、開発中止がアナウンスされている。

▲同氏の退職にあたって、マイクロソフトのゲーム部門トップであるPhil Spencer氏も感謝を伝えるツイートを投稿している。

 Bonnie Ross氏は1994年にマイクロソフトへ入社し、PC用スポーツゲーム部門でPC(Windows)向けの『NBA Full Court Press』に携わった後、プロデューサー、リードプロデューサー、エグゼクティブプロデューサー、ゼネラルマネージャーなどさまざまな役職を歴任。『Dungeon Siege』や『Gears of War』、『Mass Effect』など有名タイトルに関わってきた。

 また、同氏は、ゲーム業界全体において多様性を促進する取り組みを行ってきたことでも知られる。1997年には、ゲーム業界の女性たちがネットワークを構築し、お互いをサポートすることを目的としたコミュニティ「Microsoft Women in Gaming」を共同設立。子どもたちのSTEM教育に関する活動にも深く関与している。

 そうした働きもあり、2014年には米ビジネス誌Fortuneが選ぶ「ゲーム業界で最もパワフルな女性」の一人に選出された。加えて、2019年のAcademy of Interactive Arts & Sciences(AIAS)が開催する第22回D.I.C.E. Awardsで「Hall of Fame」を受賞。

 「Hall of Fame」は影響力の大きいゲームの開発や、特定のジャンルの発展に貢献したゲームクリエイターに贈られる賞で、これまでに「Fallout」、「The Elder Scrolls」シリーズで知られるベセスダのTodd Howard氏、コジマプロダクションの小島秀夫氏、任天堂の宮本茂氏など業界のレジェンドが受賞している。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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