
Twitchは9月21日、同社と「プレミアム契約」を結んでいるストリーマーのサブスクリプション収益について、分配率70%から通常のストリーマーと同等の50%への引き下げを行うことを発表した。施行は2023年6月となる。
ライブ配信サービス「Twitch」ではサブスクに関して、収益に対して50/50(ストリーマー/ Twitch)の取り分をベースラインとして適用している。しかし、通常契約に加えて、一部のストリーマーには配信規模の拡大に応じて「プレミアム契約」を追加していた時期があり、サブスク収益の取り分が70/30となる優遇措置が存在。なお、この「プレミアム契約」のストリーマーへの新規提供は2021年をもって終了している。
Twitchは「プレミアム契約」について、「(多くの人に認知されているが)これまで公式に発表したことがなく、透明性を確保していなかったこと」、「提供する基準に一貫性がなく、ほとんどのケースで大手ストリーマーに提供していたこと」、「契約を結んでいるストリーマーの間で、配信規模に応じて収益配分率に差が出ること」が問題点であると認識したという。ストリーマー間の公平性について、「プレミアム契約」には問題があると結論付けたようだ。
また、「すべてのストリーマーの配分率を70/30にしてほしいというユーザーからの意見が22,000件以上届いている」とのことだったが、サービス提供のためのコスト面を理由に不可能であることを主張。支払い下限額をこれまでの半分の50ドルに引き下げることで、ストリーマーが収益を受け取るためのハードルを下げる対応で歩み寄りを図っている。
そして、現在「プレミアム契約」を結んでいるストリーマーに対しては、Twitchを築く上で貢献してきたことを考慮し、サブスク収益で獲得した額が10万ドルに達するまでは70/30の収益配分率を維持できるよう調整を実施。
なお、「プレミアム契約」を結んでいるストリーマーの約90%には、この変更による現在の収益への影響はないとのこと。影響を受けるストリーマーに対しては、施行時期を2023年6月にすることで十分な時間をおくことに加え、他の収益獲得方法を提供することで、影響が最小限になるように計画しているという。
Twitchは今年6月、広告インセンティブプログラムの一環として広告収益の配分率を55%に引き上げている。ブログによると、このプログラムがサブスク収益に代わり、大手ストリーマーにとって収益の大部分を補填する良い手段だと考えているようだ。実際にストリーマーの流出を防ぐ一手となるかは、今後の動向を見守る必要があるだろう。