
CD PROJEKT Groupは10月5日、投資家向けの事業戦略資料を公開し、同社の『サイバーパンク2077』の続編や「ウィッチャー」新作、新規IPなどを含むプロジェクトの存在を発表した。
ポーランドに本拠を置くCD PROJEKT Groupは、「ウィッチャー」シリーズや「サイバーパンク2077」などを手がけるゲーム開発会社CD PROJEKT REDや、PC向けゲーム・映画の販売プラットフォームGOG.comなどを所有しているグループ。
事業戦略資料ではこれまで、「ウィッチャー」シリーズが6500万本以上、『サイバーパンク2077』が2000万本以上を売り上げたことが報告されている。

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発表されたのは、『サイバーパンク2077』の続編となる「Orion」と「ウィッチャー」の新作「Polaris」「Canis Majoris」「Sirius」、そして新規IPの「Hadar」という5つのプロジェクト。なお、タイトルはコードネームのため、正式名称ではない。

「Orion」は『サイバーパンク2077』の続編として、ダークな未来世界を舞台に、シリーズをさらに発展させた作品になるとのこと。
『サイバーパンク2077』のクエストデザイナーであるPaweł Sasko氏が自身のTwitter上で明かした情報によると、同作を担当したコアチームが米・ボストンに新しいスタジオを設立。北米チームの基盤として、ポーランド、カナダのスタジオと共に協力して開発に当たるという。

なおPaweł Sasko氏自身は、2023年に配信予定の『サイバーパンク2077』初の拡張パック「仮初めの自由」(原題:PHANTOM LIBERTY)がリリースされた後、続編の開発に専念するとしている。
今年3月に開発が発表されていた「ウィッチャー」シリーズの新作については、新三部作の最初の作品としてオープンワールドRPG「Project Polaris」が発表。同社のゲームエンジンである「REDengine」から「Unreal Engine 5」に開発環境を移行して進行している。第1弾タイトルの発売から6年以内に3作品をリリースする予定。
一方「Canis Majoris」は、「Polaris」から始まる「ウィッチャー」新三部作とは異なる展開をするプロジェクト。過去の「ウィッチャー」作品に携わった開発者が率いる外部スタジオが開発を行う。
また、「Sirius」はCD PROJEKT傘下のThe Molasses Floodが開発を担当するプロジェクト。過去の「ウィッチャー」シリーズとはテイストが異なり、クエストやストーリーなどのシングルプレイに加え、マルチプレイにも対応するという。
The Molasses Floodはボストンを拠点とするゲーム開発会社で、これまでにサバイバル系のローグライク『The Flame in the Flood』などを制作している。



そして、第3のIPとして新たに発表されたのが「Hadar」。同プロジェクトは制作の最初期段階にあり、ゲーム自体の開発にはまだ至っていないとのこと。現在は土台作りに専念している状況だ。

このほかゲームを中心に、外部パートナーと提携したTVおよび映画コンテンツの制作、モバイルゲームへの進出、関連書籍の出版といったマルチメディアでの展開によってIPの拡大を推し進めていく方針を発表。
こうした戦略については、直近でNetflixアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」の配信により『サイバーパンク2077』のDAUが100万に上昇するなど、一定の成果が見られている(関連記事)。

なお同日、CD PROJEKT の共同設立者であり、28年以上にわたって共同 CEOを務めてきた Marcin Iwiński 氏が2022年末に同役職を辞任する意向を示した。今後は監査役会の会長として、新しい社外取締役の立場からスタジオのサポートを続けていくことを明らかにしている。