
Appleは10月25日、App Storeにおける審査ガイドラインを最新版に更新し、NFTおよび関連サービスの販売を許可する記述を追加した。
新しいガイドラインによると、App Storeにおいて、NFTの販売と関連サービスを許可するものの、アプリ内課金を通じた形式のみとなり、ボタンやリンクなど外部の購入メカニズムに誘導する方法では販売できないものとした。また、所有しているNFTによって、アプリ内での機能やコンテンツがアンロックされることを禁止している。
アプリは、ライセンスキー、拡張現実マーカー、QRコード、暗号通貨および暗号通貨ウォレットなど、コンテンツや機能のロックを解除するために独自のメカニズムを使用してはならない
今回のガイドライン更新には、WEB3.0開発者を中心に多くのクリエイターが反応。NFT販売に関する条件が厳しいとして、否よりのコメントが多く見られる状況となっている。
Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は、AppleがNFT販売に対してアプリ内課金を通じた方法しか認めなかったことで、「30%の税金」(手数料)をデジタルアイテムに課していることを「Appleはお金だけを動機にしている」とコメント。その後のツイートでは「反トラスト法違反の訴訟や、法律や規制の監視が大幅に強化される中、Appleが大胆な独占的レントシーキングを倍増させていることは非常にショッキングです」と投稿した。
Oxalis GamesのCEOであるRic Moore氏は、Appleが規約の中で、所有しているNFTによって、アプリ内での機能やコンテンツがアンロックされることを禁止している点を「ゲームにおけるNFTを実質的に禁止している」と指摘。
「例えば、スパイダーマンのカード(NFT)を持っていても、マーベルの格闘ゲームでスパイダーマンを「アンロック」して使用することはできませんが、ライブラリでそのカードの美しさを見ることはできます。」と皮肉交じりに説明した。
なおOxalis Gamesは、独自の暗号通貨を導入している2Dマルチプレイヤーライフシム『Moonfrost』を開発するインディースタジオ。今年6月には、Supercellなど著名な企業から450万ドルの資金調達に成功している。
一方で、AppleがNFTを許可したことを喜ぶ声も存在する。
NFTを無料で配布する「Free-to-Own(無料で所有)」のビジネスモデルを掲げ、今年8月に2億ドルの資金調達を行ったLimit BreakのCEO・Gabriel Leydon氏はTwitter上のやり取りの中で、「この結果は、私が予想していたよりもずっと良いものでした。私たちは、iOSではNFTが使えないことを想定して、クロスプラットフォームを構築していました。モバイル専用が可能だとは思ってもみませんでしたし、今はとても良い状態にあります。」とツイートしている。