11月4日、イーロン・マスク氏によるTwitterの買収完了により同社の約半数にのぼる従業員の大量解雇(レイオフ)が報じられているなか、ゲームコンテンツのソーシャルマーケティングを主導していたShiraz Siddiqui氏も解雇されたことが明らかになった。自身のTwitterアカウントでの投稿によって報告されている。
Shiraz Siddiqui氏は同社において9年間勤め、ゲームやe-Sportsなどの最新情報を発信するTwitter Gaming(@TwitterGaming)においてソーシャルリードを務めていた人物。ほかにも、これまでに大元のTwitter(@Twitter)をはじめ、Twitter Sports、Twitter Creators(当時はTwitter Video)などさまざまな分野でソーシャルマーケティング活動を主導してきた。
同社の現況として、マスク氏のツイートによれば買収完了後、米国などの一部広告主がTwitterから撤退を始め、大きく収益が減少。そうした動きも相まって、1日あたり400万ドル以上の損失を出していることから、人員とインフラコストの削減、および有料サブスクリプションなどのサービスで減収分を補填する計画を立てている。
Twitterはゲームとの親和性が世界的に高く、日本のゲームマーケティングにおいても特に活用されてきたSNS。
同社がブログ上で定期的に公開している統計データによると、2022年上半期におけるゲーム関連のツイートは前年比で36%増加した約15億件にものぼり、新たなゲームのリリースからパッチノートの更新、eスポーツイベントのハイライトにいたるまで、あらゆるゲーマーの会話がTwitter上で行われている状況。
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そうした環境の中、各ゲーム企業がTwitterを活用したマーケティングを行ってきたが、今回の大量解雇でゲームのソーシャルマーケティングを担う人物も解雇された。
加えて日経新聞の報道によると、Twitterの大量解雇に際して日本法人であるTwitter Japanで働く社員も対象となり、多くのスタッフが去っているという。
さらに、Twitterが混乱する状況の中、11月3日に分散型SNSのMastodonが過去最高のアクティブユーザー数を報告するなど、反発するユーザーの他サービスへの流出も推察される。今後、マスク氏の改革による影響が、日本のゲームマーケティングにおいても大きく懸念される。