米・テキサスで開催予定の『スマブラ』非公式世界大会「Smash World Tour」の決勝大会が中止

 

 任天堂の「大乱闘スマッシュブラザーズ」を用いた非公式世界大会「Smash World Tour」は、米・テキサス州12月9日~11日に開催を予定していた決勝大会(Smash World Tour Championship 2022)を中止した。また、2023年の開催についても中止が発表されている。

 

 発表によると「Smash World Tour」(SWT)は、2022年だけでも世界中で6,400以上のライブイベントを主催し、32万5,000人の参加者を集め、あらゆるゲームタイトルの中でも史上最大規模のesportsツアーイベントに成長していたという。今回のツアーにおける賞金総額は25万ドル(約3,400万円)にのぼる。使用タイトルは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(スマブラSP)と『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(スマブラDX)。

 12月9日~11日の決勝大会は、世界各国でオンライン予選、地域決勝を8ヶ月間かけて勝ち抜いてきたプレイヤーが招待されるもの(『スマブラDX』は地域決勝から)。中止が発表されたのは開催まで1週間あまりのタイミングであった。

 中止までの経緯として、1年に渡る任天堂(Nintendo of America)とのライセンス契約に関する交渉が報告されている。その中で、24時間体制で対話に臨んでいたものの「何の前触れもなく」営業停止の通知(ライセンスを付与しない旨)を受け取ったとのこと。SWTは「任天堂の行動により、数十万ドルを失うことになる」としている。

 さらに、任天堂が『スマブラSP』の公式大会として初のパートナーシップを結んだesports団体「Panda Global」が大会開催に対する妨害行為を働いたと主張。

 Panda Globalは同じく米国の団体で、「Panda Cup」を主催。2021年11月に任天堂とのパートナーシップ締結を発表していた。SWT側によると、そのCEO兼共同創設者であるAlan Bunney氏が、世界各地のトーナメント開催者に対して「Smash World Tourは閉鎖される」という旨を伝えていたという。

 SWTは、Pandaの妨害行為について任天堂に問い合わせたところ、「公式パートナーシップは独占的なものではない」という認識を示されたが、Panda側の妨害は止まらなかったとしている。Alan Bunney氏によるトーナメント開催団体への圧力は、実際にBeyond the SummitのLD氏なども報告しており、Panda側も一部そうした事実を認めている。

 
 

 一方で、Pandaは「Panda Cupチームが開催中止に何らかの影響を及ぼしたというのは虚偽」と反論。あくまでも、SWTが自主的に大会を中止したと主張していた。しかし発表後数日経った12月5日に、「『スマブラ』コミュニティの声を聞いた」としてPandaのCEO(Alan Bunney氏)を解雇したことを公表。

 さらに、12月18日に開催を予定していた公式大会「Panda Cup Finale」の開催延期を明らかにした。これにより、12月の大規模な「スマブラ」大会は非公式、公式あわせて無くなったことになる。

 Panda Globalの醜聞が目立つ今回の件だが、任天堂(Nintendo of America)は海外メディアKotakuの取材に対して、ライセンスを付与しない決定を下した理由を「SWTから提出された提案書と、彼らの未許諾活動に対する評価のみに基づくもの」とし、Panda Globalのような外部からの影響を受けていないと回答している。また、SWTの2022年、2023年の活動をライセンスしない通知をしたものの、「現行の大会に対する中止は要求していない」と語った。

 なお、この一件を受け、「スマブラ」の大規模トーナメントを主催するVGBCは「Glitch」と「Double Down 2023」の開催中止を発表している。理由として「任天堂との最近のコミュニケーションを考慮すると、現時点で2023年の計画を進めることはリスクが高い」と声明の中で語った。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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