マイクロソフトは、2022年1月~ 6月の期間におけるXboxの安全性に対する取り組みをまとめた「Xbox 透明性レポート」(Xbox Transparency Report)を公開した。同社は長年、デジタルセーフティに関するレポートを発行しているが、ゲーム事業に絞ったレポートが公開されるのは今回が初。
「Xbox 透明性レポート」では、Xbox のプレイヤーを守り、プラットフォーム上のコンテンツを管理するために行っている措置について、明確な数値と説明を記載。今回を皮切りに、今後6ヶ月ごとにレポートを公開し、進捗を共有することを目標としている。
レポートによると、Xboxは2022年1月~6月の期間、不公平な競争の場を作り出し、プレイヤーのポジティブな体験を損なう可能性があるものとして昨年同期比82%増となる731万件の強制措置を実施。そのうち、57%にあたる433万件以上が自動化ツールやボットで作成された不正なアカウントへの対応であったという。
強制措置の数が大幅に増加している背景には、マイクロソフトが近年力を入れている「プロアクティブ・エンフォースメント」の技術強化がある。これは、「プレイヤーに影響を与える前に有害コンテンツ・不正アカウントなどを検出して排除する」もの。
マイクロソフトは2021年11月、AIコンテンツモデレーションのTwo Hatを買収。Two Hatは、 AIを活用して嫌がらせなどの有害なコンテンツを検出する技術を提供しており、過去数年間に渡ってXboxと協業していたことから、さらなる投資のために買収を行っていた。
これにより、プロアクティブ・エンフォースメントの件数は前年同期の9倍に増加。前述の強制措置件数である731万件のうち、478万件はプロアクティブの検出を中心としたものとなる。Xboxは、プレイヤーが安全かつポジティブで魅力的な体験ができる環境づくりのために、こうした技術への投資と改善を継続していくとのこと。
一方で、リアクティブなモデレーションデータ(プレイヤーからの報告)としては、期間内に通報が3,300万件となり、前年同期比で36%減。実際に強制措置があったのは253万件となる。
また、通報の内容はコミュニケーション (46%) と振る舞い (43%) に関する問題が大部分を占めた。自動化ツールやボットなどへの対応と違い、明確な線引きがない部分ではあるが、Xboxはこうした通報を安全策の強化に活用しつつ、24時間・365日体制でコンテンツモデレーションを行っていると説明した。
なお、アカウントを停止されたユーザーは、Xboxに対して異議を申し立てたり、説明を求めたりすることが可能。レポートの全文は以下のリンクから確認できる。