
マイクロソフトは、米連邦取引委員会(FTC)との裁判に向けて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)やNVIDIAへの召喚状を送付している。FTCが公開する文書によって、その動向が明らかにされている。
FTCは昨年12月9日、マイクロソフトとActivision Blizzardの買収計画に関して、買収が成立した場合にはソニーなどの競合他社へのゲーム供給が停止されるなど、市場の競争を妨げるおそれがあるとして、差し止めを求め提訴していた。
そのためマイクロソフト、およびActivision Blizzardは現在、2023年8月2日午前10時(現地時間)に行われるFTCとの審問に備え、4月7日までに必要な証拠の開示を進めている状況。送付された召喚状の詳細は不明だが、非当事者であるSIEやNVIDIAに対して、どのような情報を提供するかについて交渉中としている。
特にSIEに対しては合計120件以上の財務、販売といった業績やユーザー情報などの広範なデータの提出が求められており、相当の費用と時間が掛かるものと報告されている。
提出された文書によると、SIEには1月17日に召喚状が送付され、回答期限について4度の延長が申請。最終的な回答期限を2月15日としている。NVIDIAも同様に、1月20日に送達されてから、回答を2週間延長し、2月13日を期限としている。
マイクロソフトはこれまでに、Activision Blizzardが保有する「Call of Duty」をSIEや他ライバル企業に10年間提供するという法的拘束力のある合意事項を提出(関連記事)。FTCの懸念に対する抗弁と共に、市場への公平性を強調している。