マイクロソフトは2月21日、任天堂との間に「Call of Duty」を10年間提供する、法的拘束力のある契約を締結したことを発表した。マイクロソフトの副会長兼社長であるBrad Smith氏が明らかにしている。
これは、昨年12月に両社の間で締結したコミットメントに基づいたもの。
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マイクロソフトは昨年1月、世界的人気シリーズ「Call of Duty」などを保有する米ゲーム開発大手Activision Blizzardを687億ドルで買収することを発表(関連記事)。
ゲーム市場では世界最大規模のM&Aとなる提案だけに、反トラスト法(独占禁止法)にまつわる懸念から、各国の規制当局が調査を開始。サウジアラビア、ブラジルなど比較的影響の小さい地域ではすでに承認を得ているものの、主要市場である米国、英国、EUなどでは詳細な調査が行われている状況。
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中でも、米国の連邦取引委員会(FTC)は差し止めを求める訴訟を提起しており、裁判に向けた準備も進められている。
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そうした各規制当局が懸念点として大きく挙げているのが、Activision Blizzardの買収によって同社がポートフォリオに持つ「Call of Duty」シリーズのような著名なAAAタイトルが、Xbox以外のコンソールで発売されなくなるのではないか、という点だ。
そのため、マイクロソフトは法的拘束力を持つ契約により他プラットフォームへの提供を約束することで、市場への公平性をアピールする意図があると見られる。
今回の発表の中で、マイクロソフトの副会長兼社長であるBrad Smith氏は「私たちは、他のゲームプラットフォームにも長期にわたり平等に「Call of Duty」を提供し、より多くのプレイヤーに選択肢をもたらし、ゲーム市場にさらなる競争をもたらすことを約束します」とコメントしている。
あわせて、クラウドゲーミングサービスを提供する米・NVIDIAと同様の契約を締結したことも報告している。