テレビ朝日、新規領域開拓の一環でアニメ・ゲーム事業やメタバース事業への取り組みを強化 今後3年間の新経営計画で

 テレビ朝日は3月2日、今後3年間(2023~2025年)の経営の方向性を示す新経営計画を発表した。そのなかで、アニメ・ゲーム事業やメタバース事業に関する新規領域の開拓について言及されている。

 

 新経営計画では、基本理念である「すべての価値の源泉はコンテンツにある」のもと、「テレビ朝日360°」をキーワードとして提示。これに沿う形で、地上波戦略をはじめとした5つの個別戦略が示された。そのひとつに「新領域開拓」が挙げられ、アニメ・ゲーム、メタバースなど新たなビジネス領域に挑戦する方針が明らかとなっている。

 アニメ・ゲーム事業では、同社が保有する「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」といった国民的アニメIPを主軸としつつ、さらなる新規アニメIPの開発を促進。「ユーリ!!!on ICE」のようなオリジナルヒットIPの開発に加え、大きなヒットが見込める有力原作のアニメ化権を獲得することを目指す。

 さらに、人気アニメのゲーム化および、ゲーム化を前提にしたアニメ開発を行う。マンガ・WEBTOONの事業化にも挑戦し、メディアミックスを念頭においた戦略で新たなアニメ事業の創出を狙う。

 人気アニメのゲーム化に関しては、同社が2020年4月から設けている深夜アニメの放送レーベル「NUMAnimation(ヌマニメーション)」で放送されている「ブルーロック」が具体例として挙げられている。同タイトルはモバイルゲーム化後、アプリストアのセールスランキングで上位にランクインする大ヒットを記録した。

 そのほか、海外の有力な配信プラットフォームや配給会社と連動した展開を行い、グローバルなアニメIPの育成にも取り組む。これらのクロスメディア展開および国際展開により、コンテンツを360°に展開するということのようだ。

 メタバース事業においては、地上波で放送中の「新世界 メタバースTV!!」など番組との連動を強化。また、同社が開発を進めるメタバース空間同士を連携させることで、巨大なメタバース空間の創出を目指す。あわせて、メタバースアイドルユニット「めたしっぷ」によるファン獲得も新たなIPとして収益確保が期待されている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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