ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、2021年5月4日、コミュニケーションサービス「Discord」と、パートナーシップを締結したことを発表した。現在、2022年の前半を目標にコンソールとモバイル上において、Discordを利用できるように進めているという。
Discordは、世界中で月間1億4千万人以上の利用者を誇り、ゲームユーザーの間で親しまれているコミュニケーションサービスである。ボイスチャットやゲーム画面の共有など、マルチプレイゲームに特化した仕様となり、コロナ禍の巣ごもり需要も後押ししてか、国内でも利用者数を伸ばしている。
今回SIEは、締結実現のためにDiscordの(資金調達)シリーズHラウンドに参加し、マイノリティ出資を実施。シリーズHは投資ラウンドのことを指し、成長段階というより、十分に黒字経営が安定化した企業への出資となる。
Discordを取り巻く話題では、直近マイクロソフトが100億ドル以上(日本円で約1兆円)の買収交渉が海外で報じられていたが、2021年4月には中止が報道された(ブルームバーグ記事)。その後の行方が注目されていたが、今回SIEと足並みをそろえた取り組みが明らかになった。
SIEのCEOであるジム・ライアン氏は、Discord共同設立者のJason Citron氏とStan Vishnevskiy氏と初めて会ったときのことを、「彼らのゲームに対する深い愛情と、友人同士、そしてコミュニティが新しい方法で繋がってほしいという想いを共有できたことに感銘を受けた」と同社のブログ記事で振り返っている。
プレイステーションがDiscordと連携することにより、今後ゲームハードとしての大きなアドバンテージを得ることは想像に難しくない。マルチプレイ対応のゲームにおける価値の向上、会話をきっかけとしたゲームプレイの促進など、コミュニケーションに根ざしたゲームハードを実現できるだろう。