韓国NCソフト、2021年11月だけで2,000億ウォン(約192億円)以上の売上を記録。「リネージュ」シリーズがけん引

 韓国の調査会社IGAWorksは、同社のサービス「MOBILEINDEX」において2021年11月の「韓国モバイルアプリ利用レポート」を公開した。

 2021年11月では、NCソフトの『リネージュW』がApp Store、Google Play、One Store(※)の韓国3大マーケットの総合ゲームカテゴリー売上で1位を記録した。2021年6月~10月まで1位を継続していた、カカオゲームズの『ODIN: VALHALLA RISING』は4ヵ月ぶりにNCソフトに1位の座を奪われた。

※One Store:SK Telecom、KT、LG Uplusが販売するすべての Android モバイルデバイスにプリインストールされている、韓国で2番目に大きいアプリストア。

▲画像はMOBILEINDEXの該当記事より。

 『リネージュW』はPCオンラインゲーム『リネージュ』の正統性を継承したシリーズ最新作。韓国ではリリース直後にアプリストアのダウンロード及びセールスランキングで1位を記録し、まさに破竹の勢いだ。日本でも2021年11月にリリースされ、スマッシュヒットを記録。

 本作は「ワールドワイド」というコンセプトに基づきグローバル展開を前提として戦略的に開発された。フル3Dグラフィックとクォータービューを採用し、グローバル ワンビルドでのサービスを展開するほか、言語が異なるプレイヤー同士のスムーズなコミュニケーションのため、リアルタイム「AI(人工知能)翻訳」機能を実装し、スムーズなコミュニケーションを実現している。

 2021年11月の韓国ゲームアプリ市場は、前述した『リネージュW』のほかに、『リネージュM』(総合3位)や『リネージュM2』(総合4位)、『ブレイド&ソウル2』(総合7位)という結果となり、同月の総合売上TOP10にNCソフトタイトルが4本もランクインした。

 MOBILEINDEXでは、2021年11月のNCソフトの月間売上を2,000億ウォン(約192億円)以上と推定。さらに、NCソフトは3大マーケットの通算パブリッシャー売上の34.3%を占めているとのことだ。

 景気のいい話が続いているが、あまり楽観視できない現状も。弊誌の記事でも取り上げているように、NCソフトは無限競争とPKを軸にする「リネージュ型課金モデル」に執着している。さらに、大企業にもかかわらずゲーム性の発展はなく、過去の成功に頼っただけのビジネスモデルだけを繰り返していることもあり、投資家をはじめ界隈から不安視されている。

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 一方、NCソフトを追いかけるのがカカオゲームズとネクソンだ。11月の(韓国)総合ゲームカテゴリーの売上では、カカオゲームズは500億ウォン(約48億円)以上、ネクソンは300億ウォン(約28.8億円)以上と推定。

▲画像はMOBILEINDEXの該当記事より。

 なかでもネクソンの『ブルーアーカイブ』(開発:ネットゲームズ)は、App Storeで11位、Google Playで12位、そしてOne Storeでは1位にランクインした。ネクソンはOne Storeで実績を出しており、『風の王国:Yeon』は4位、『FIFA ONLINE 4 M』は7位に名を連ねた。

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原 孝則(Takanori Hara)
原 孝則(Takanori Hara)https://pickups.jp/
PIckUPs! 編集長。出版社で雑誌とWebメディアの編集を経験した後、大手ゲーム会社で多数のマーケティングプロジェクトに携わる。2015年にSocial Game Infoの副編集長に就任。2017年に起業し、独自のニュースサイト「PickUPs!」を立ち上げ、現職。

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