韓国の女性家族部※は、2022年1月1日から「青少年保護法」の一部改正が施行されたことにより、いわゆる「ゲームシャットダウン制」が事実上廃止されたことを発表した。この制度は、深夜時間帯(0時~午前6時)に16歳未満の青少年へのインターネットゲームの提供を禁止するもの。
※韓国の“部”は、日本の“省”にあたる
2021年12月7日に公布された改正法律では、16歳未満の青少年に深夜時間帯のインターネットゲーム提供時間の制限および違反時における罰則規定の削除、インターネットゲーム中毒の青少年に対する教育、治療だけでなく、その家族向けの相談などのサービス支援を主な内容とした。
これにより、青少年のインターネットゲーム中毒の防止を目的に2011年11月20日に導入・施行された「ゲームシャットダウン制」が10年の時を経て廃止となった。以降、ゲームコンテンツ産業を所轄する文化体育観光部の「ゲーム時間選択制」に制度が一元化される。こちらは、保護者が子どもの利用可能なゲームや利用時間帯などを管理することができる制度。
今回の改正について政府は、過去10年間でシャットダウン制が適用されないモバイルゲームがPCゲームに取って代わるなど、ゲーム利用環境が大きく変わったことを理由としている。昨今ではゲーム以外にも、SNSや動画配信サービス、動画投稿サイトなど青少年が利用できるメディアが多様化したこともあり、原点から青少年保護策を見直すこととなったようだ。
「ゲームシャットダウン制」は制定当時から反発の大きかった施策のひとつだが、2021年7月に突如『マインクラフト』が19歳以上のみ利用可能の成人向けゲームになるなど、規制の影響による奇妙な事態を引き起こしたことでも廃止を望む声が多く挙がっていた。
キム・ギョンソン女性家族部次官は「ゲーム利用において青少年の自己決定権と家庭内の自律的選択権が保障される方向に制度が改善された」とし、「関係省庁と協力してゲーム利用教育と情報提供を拡大する一方、青少年保護の主務省庁としてインターネット・スマートフォンと依存治癒キャンプの運営など青少年の健康な日常回復のための支援を強化していく」と明らかにした。