ネットマーブルの2022年12月期、4四半期連続の赤字継続により累積営業損失は106億円 大型新作が振るわず既存作も軟着陸

 ネットマーブルジャパンは2月10日、本社・韓国Netmarble Corpの2022年第4四半期の業績を発表した。連結売上は698億円※で前年比8.7%減、EBITDA(償却前営業利益)が40億円で同67.1%減、営業損失20億円となり、4四半期連続の赤字継続を報告している。

※第4四半期間まで(2022年1月~12月)の累積平均為替レート 1ウォン=0.1017円 をもとに換算し記載

 2022年の年間では、売上高2,718億円で前年比6.6%増を記録し、累積EBITDAは130億円で同57.6%減、そして累積営業損失は106億円となり、前年から赤字転換と集計。

▲画像中の単位は億ウォン

 4Qに大型タイトルの発売がなかったことや、既存タイトルのソフトランディングにより、売上は微減。また、EBITDAの大幅な減少は、同社が買収した香港のソーシャルカジノゲーム会社「SpinX Games」および、カナダのカジュアルゲーム会社「Ludia」の収益計上を本格的に反映した結果、営業費用が増加したことによるもの。

 一方で、従業員の減少や大型タイトルの不在によるマーケティング費用カット等で、営業費用全般については削減が行われている。

 なお1Q~3Qについても新作リリースの遅延や既存タイトルの不調が響き、4期連続の赤字継続となっている。3Qには期待作『セブンナイツレボリューション』を投入したが、こちらも不振。為替レート上昇にともなう外貨借入金関連換算損失も大幅に増加したことで実績不振が続いた(関連記事)。

 ネットマーブルの代表取締役であるクォン・ヨンシク氏は「新作リリースの遅延やリリースタイトルの興行不振で不十分な実績を記録してしまった」として、人材とコストの徹底的な管理を行い、選別されたプロジェクトに会社のリソースを集中すると説明した。

 そのほか、海外売上は第4四半期に591億円となり、年間累積では2,286億円を占めている。これにより、年間海外売上比重は84%となり、昨年より11ポイント増加した。地域別売上比重は北米51%、韓国15%、ヨーロッパ12%、東南アジア8%、日本7%、その他7%となり、バランスよく売上を構成している。

 なお北米においては、『Marvel オールスターバトル』で開催したイベントなどが影響し、北米売上比重が前四半期対比で3%増加した。

 また、第4四半期終了時点におけるジャンル別の売上比重は、カジュアルゲーム48%、RPG27%、MMORPG16%、その他9%となった。『七つの大罪 ~光と闇の交戦~』と『Marvel オールスターバトル』の影響により、RPGの売上比重が前四半期対比で3%増加している。

 ネットマーブルは今後、TPS形式のMOBA『PARAGON: THE OVERPRIME』とアクションバトルゲーム『HypeSquad』のアーリーアクセスを実施し、2023年内に正式リリースする予定。

 合わせて『ゲットリッチ2:Meta World』、『グランドクロスW』、『神之塔:New World』を上半期中に、『アスダル年代記』、『俺だけレベルアップな件:ARISE』、『Project Knights(仮題)』、『Seven Knights Idle Adventure(仮題)』などを下半期にリリース予定としている。

 また現在、リリース時期やゲームの詳細は不明なものの、講談社の「週刊少年マガジン」で連載された漫画作品『七つの大罪』を題材としたマルチプラットフォーム向けオープンワールドゲーム『七つの大罪 オリジン』が制作中。加えて、同じく「週刊少年マガジン」で連載中の『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』のゲーム制作に携わることが明らかになっている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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