韓国KRAFTONは2月7日、2022年12月期における通期および第4四半期の連結業績を発表した。通期の売上高は1兆8,540億ウォン(約1,921億円※)、営業利益は7,516億ウォン(約779億円)、純利益は5,002億ウォン(約518億円)となった。
※執筆時点の最新取引レートで計算
全体の売上は前年よりわずかに減少したものの、年間営業利益は前年に比べて16%増加し、41%の営業利益率を達成。2022年第4四半期の売上は4,738億ウォン(約491億円)で前年同期比7%増、営業利益1,262億ウォン(約131億円)で同179%増を記録している。また、海外売上は全体売上の約94%を占めた。
同社の『PUBG: BATTLEGROUNDS』は2022年1月、ビジネスモデルを基本プレイ無料へと変更。その結果4,500万の新規ユーザーが流入し、PC/コンソールが全体売上の31%を牽引するほどに成長したという。

加えて、2022年第4四半期に投入された『The Callisto Protocol』も、PC/コンソール売上の寄与度を高めた。
そして、モバイル部門では年間売上1兆2,528億ウォン(約1,298億円)を達成。前年比で約12%の減少が見られたものの、新規モードのアップデート、小規模マップのリリース、コラボレーション施策の拡大により課金ユーザーが増加したという。
KRAFTONは2023年、パブリッシングおよび開発力の強化を方針として掲げ、ディープラーニングとメタバースなどの新事業にも持続的に投資する予定。
AI・ディープラーニングに関する事業は開発タイトルの制作プロセスでの活用に加え、ユーザーがゲーム内のキャラクターと一緒にプレイして友達になることができる「Virtual Game Friend」技術の開発も進められているという。この新技術は早ければ2024年にはゲーム内に導入される予定とのことだ。
直近ではカナダ・モントリオールにAAAゲームを制作するスタジオを新設しており、3年間で約150名を採用する計画を明らかにしている(関連記事)。同スタジオでは、韓国で支持を集めるイ・ヨンド氏によるファンタジー小説「涙を飲む鳥」(原題: 눈물을 마시는 새 )を題材にしたゲームの制作を進めている。
そのほかにも現在、異星の海の世界を探索するサバイバルADV『Subnautica』の続編をはじめ、「Project Black Budget」、「Project Gold Rush」と呼称されるタイトルの制作に取り組んでいることが明かされている。
「Project Black Budget」は、『PUBG』の制作・運営経験を基に開発される脱出シューターのプロジェクト。脱出シューターは、『Escape from Tarkov』(タルコフ)に代表されるジャンルで、『PUBG』のようなバトロワ要素に加え、脱出地点まで戦利品を持ち帰る必要があるのが特徴。
一方の「Project Gold Rush」は、PvPvE要素のあるサンドボックスになるという。運用型のタイトルで、次世代のゲーマー向けに「チャレンジ精神を目覚めさせる」としている。

今後、上記の4タイトルを主力タイトルとして継続的なゲームラインアップの確保を目指す。