ハピネットがブロッコリーを完全子会社化する方針を発表 新コンテンツ開発の推進および既存コンテンツの展開を拡大

 ハピネットは4月14日、ブロッコリーの株式に対する公開買付けの開始を発表した。買付けの期間は4月17日から6月13日までの37営業日とし、買付価格は1株1,500円(直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,014円に対して47.93%のプレミアム)。買付予定数の上限は設けず、完全子会社とすることを目指す。

 ブロッコリーは、コンテンツ(アニメ・ゲーム・音楽・映像・カードゲーム)の企画・制作と、キャラクター商品の企画・製作・販売を行う企業。オリジナルキャラクター「デ・ジ・キャラット」や、メディアミックス作品「うたの☆プリンスさまっ♪」などのコンテンツで知られる。

 一方ハピネットは玩具、映像、音楽、ビデオゲーム、アミューズメントといった分野での事業を展開しているほか、量販店、専門店、eコマースやコンビニエンスストアなどのさまざまな取引先を持つ流通プラットフォームを所有している。同社は2015年12月に、ブロッコリーとの第三者割当増資を引き受け資本業務提携を締結。その後関係を深め、ハピネットは29.72%の株式を所有する筆頭株主となっていた。

 今回、新たにブロッコリーの完全子会社化を企図する背景として、大きく「意思決定の迅速化」が挙げられている。

 両社はこれまで、共同での音楽レーベル「b-sound(ビーサウンド)」の立ち上げやオフィシャルストア「BROCCOLI ONLINE powered by Happinet」の共同運営、ブロッコリー発コンテンツの販路拡大や新しいビジネス展開を共に取り組んできた。

 しかし上場企業である両社の都合上、独立した運営を行う必要性があり、秘匿性の高い情報の共有ができず、経営資源の共有にも一定の制約があるなど、迅速な事業展開には難儀していたようだ。特に、新コンテンツ開発の際にかかる人的・物的コストから意思決定に慎重を要し、開発の遅延が生じるなど、想定以上の課題が発生していたという。

 そこで、課題解決および両社のシナジーを最大限に発揮する方法として、両者一体となって事業展開を行うことを決断。これにより、意思決定の迅速化、経営資源の共有により新コンテンツ開発の推進、および積極的な投資を継続することによる事業規模の拡大が見込まれる。

 ブロッコリーが所有する「うたの☆プリンスさまっ♪」やトレーディングカードゲーム「Z/X -Zillions of enemy X-」(ゼクスジリオンズオブエネミーエックス)などの既存コンテンツは、ハピネットグループとして展開することで、新たな楽しみ方の提案に加え、ハピネットが強みとする流通プラットフォームを活用した新しい顧客層・流通チャネルの開拓が可能となる。また、これまで他社に委託していた映像や出版、イベント開催などの分野をグループとして一括で行うことができる。

 ハピネットは現在、中期経営計画のテーマとして「エンタテインメントとプラットフォームのデュアルエンジンで挑む創造的成長」を掲げる。今後は両社で中長期のビジョンを共有し、エンタテインメント事業とプラットフォーム事業の二軸を中心に一体の事業展開を行うことで、企業価値をより一層向上させるとしている。

 なお直近では、ブロッコリーが「うたの☆プリンスさまっ♪」新作ゲームアプリの制作を発表。詳細については随時告知する予定だ。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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