Raven SoftwareのQA(品質保証)チームが結成したGame Workers Allianceが5月24日、公式の労働組合として設立されることが明らかになった。全米労働関係委員会を通じた労組公式化投票により認められた形。なお、北米ゲーム業界において、公式な労組設立は2回目の事例となる。
同日、Game Workers AllianceのTwitterアカウントが喜びのツイートを投稿している。
Raven Softwareは米国に本拠を置き、1997年以来Activision Blizzard傘下として「コール オブ デューティ」シリーズなどを手掛けるゲーム開発スタジオ。今回、公式の労働組合設立となるのは、これまでに『コール オブ デューティ ウォーゾーン』などの品質保証も担当した同社QAチームによる、Game Workers Allianceと呼ばれる団体。
2021年12月、社内ではQAチーム人員の30%に該当する非正規職職員12人がリストラを通達されたことをきっかけに、部門全体でストライキとデモが巻き起こっていた。翌1月には、Activision Blizzardから労組に関して承認が得られない(および妨害があった)として、全米労働関係委員会に請願書を提出。その後活動をつづけ、公式化に漕ぎつけた形だ。
Game Workers Allianceは「ゲームやソフトウェア業界において、QAは現在、過小評価されている分野」とし、開発プロセスにおける重要な役割を担うQAに携わるスタッフに対して、働きに見合った報酬を得られるような職場環境の醸成に努めているという。法的に承認を得たことで、今後のRaven Software やActivision Blizzard、およびゲーム業界に少なからぬ変化が見られるかもしれない。
なお、2021年12月にインディーゲームデベロッパーVodeo Gamesの労働組合Vodeo Workers Unitedが結成され、これが北米のゲーム業界で初の事例となっていた。今回のGame Workers Allianceはそれに続く2個目の事例と言える。