インドで人気のモバイル向けバトロワ『Battlegrounds Mobile India』が7月末、各アプリストアから削除された。ロイター通信が報道している。
インドでは以前、テンセントの『PUBG Mobile』を国家安全保障上の懸念から2020年9月に禁止。その後、パブリッシャーを変える形で韓国のKRAFTONから『Battlegrounds Mobile India』として再リリースされていた。
しかし報道によると、リニューアル版である『Battlegrounds Mobile India』も同様に国家安全保障上の理由で禁止されたという。
もともと、国家安全保障上の懸念としている事柄は、中国製のアプリがインド国民(ユーザー)の機密データを中国など外国のサーバーに転送しているというインド政府側の認識に基づいたもの。
そのため一度目の禁止を受けて、KRAFTONはマイクロソフトと協業し、パブリッククラウドコンピューティングサービスである「Microsoft Azure」を通じてプライバシーとデータの安全性を保証。加えて、サーバーをインドとシンガポールに構築するなどの対応をしていた。しかしながら、再びストアから削除されてしまったようだ。
『PUBG Mobile』および『Battlegrounds Mobile India』はインドのモバイルゲーム市場を牽引してきた人気タイトル。米市場調査会社Sensor Towerによると2020年9月、一度目となる禁止前には4000万人以上のアクティブユーザーを抱え、2021年7月の再リリース時には1週間で累計ユーザー3400万人、一日あたりの最大ユーザー数1600万人、最大同時接続者数240万人を記録。
売上は7日間で260万ドル(約3億円)とされ、その後2021年のモバイルゲーム総売上のうち1/3以上を占めたと推計されている。
また、『Battlegrounds Mobile India』は大会運営にも力を入れており、今回の措置がeスポーツやライブストリーミングの分野に与える影響についても大きいと考えられる。