グローバル版『王者栄耀』がブラジルで人気に 事前登録200万・初日DLランキング首位を獲得

 テンセントの代表的MOBAである『王者栄耀』(Honor of Kings)について、ブラジルで配信を開始したグローバル版が初日にダウンロードランキングで首位を獲得したという。中国のアプリ市場調査会社である白鯨出海が明らかにした。

 中国で圧倒的な人気を保つ『王者栄耀』は、中国国内からの売上が9割強を占めつつ、世界のモバイルゲーム市場全体で見ても傑出した収益性を維持しているタイトル。テンセント傘下TiMi Studiosが開発を担当しており、5vs5の対人戦をメインに、スマホで手軽にチーム対戦がプレイできるのが特徴。

 同作はかねてより、グローバルブランドLevel Infiniteを通じて世界に配信する計画を明らかにしていた(当初は2022年内に展開する予定だったものの、コロナ禍を理由に延期)。

 

 その初進出地域に選ばれたのがブラジルとなり、2月から事前登録を開始。登録者数は200万人を超え、リリース後のダウンロード数がF2Pのタイトルとしては最大のものになったようだ。同時期のセールスランキングでは、12位を獲得している。

 白鯨出海の分析によると、グローバル版のリリースにあたって、外部サーバーとの接続が悪く、オンラインゲームに支障をきたしがちなブラジル地域に専用サーバーを導入するなど、現地向けの準備に力を入れたことが功を奏したという。

 ゲーム内の表現はすべて公用語であるポルトガル語に翻訳され、キャストも現地でなじみのある声優陣を起用(例えば、「ドラゴンボールZ」における孫悟空の声優を務めるWendel Bezerra氏を『王者栄耀』の孫悟空役にキャスティング)するなど、徹底的なローカライズ・カルチャライズを実施。一部キャラクターデザインに関しても、より受け入れられやすいものに変更されている。

▲画像は白鯨出海「《王者荣耀》正式开打海外,第一站拿下巴西畅销Top12」より

 またプロモーション施策としても、ブラジル文化を取り入れた独自のトレーラーを公開。事前登録の受付開始に合わせて公開されたPVは、中国モチーフの代表的なキャラクター「云纓(うんえい)」がブラジル・リオデジャネイロに現れる内容となっていた。

 中国メディアの新浪によると、ブラジルはラテンアメリカ最大のゲーム市場で、2022年には18億4,000万ドルの売上を生み出すという。またブラジルのゲーマー人口のうち、18歳から24歳の若いプレイヤーの割合が比較的高く、20%以上を占めている。

 なお現在、グローバル版『王者栄耀』はそのほかにもメキシコ、トルコ、エジプトなどでクローズドβテストを実施しており、テンセントは成長性の高い新興市場を中心に見据えているとみられる。これまで中国が9割以上の売上を占めていた『王者栄耀』だが、多大なゲーム人口を誇るブラジルをはじめ、グローバルでの成功によって海外売上が大きく伸長する可能性は大いにありそうだ。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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