「スマブラ」シリーズの“参戦ムービー”は何故制作されたのか。ディレクターの桜井氏がコメント付きで各動画を振り返る

 任天堂は、同社のブログにおいて12月7日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が3周年を迎えたことを記念した「「スマブラ」シリーズ 参戦ムービー一挙掲載」記事を更新した。

 記事内では『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』から最新作の『スマブラSP』に至るまで公開されたすべての「参戦ムービー」を掲載。新ファイターが参戦する度に映像が制作され、これまで実に37種ものムービーが公開されてきた。

 それぞれのムービーにシリーズのディレクター・桜井政博氏のコメントが添えられる豪華ぶりで、裏話や制作上の工夫などが語られた。熱量の高い解説に加えて制作会社にも言及するという、こだわりとクリエイターへのリスペクトも感じられる内容。

 そもそも桜井氏が参戦ムービーを制作するようになった経緯については「『スマブラ』は、ほかでは見られないコラボをしている企画です。なのでせっかくだから、シェアされたほうが面白い映像もサービスしよう、と考えて作りはじめたのが、各種参戦ムービーです」と語っている。

 「シェアされたほうが面白い映像」というように、マーケティング観点から『スマブラ』の露出及び盛り上がりを形成することを狙っていたようだ。実際に大規模なゲームイベントでは、『スマブラSP』の参戦ムービーは恒例行事ともなり、世界中が次の参戦キャラクターに期待を寄せていた。

 参戦ムービーは、発売中タイトルの既存ユーザーをつなぎとめる施策としても寄与するだけではなく、これからリリースするタイトルに関してもその熱量を上げることが可能。とくに見知ったキャラクターが登場するIPタイトル(及びシリーズ続編)ではその効果は高そうだ。

▲格闘ゲームタイトルのシーズンパス(DLC)などのキャラクター参戦も話題になる。
▲『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』(2021年10月発売)でもリリース前に各々のキャラクター紹介ムービーが投稿されていた。人気IPという前提はあるが、それぞれの紹介ムービーは100万再生されるほどの話題に。

 「ただキャラクターを個別で紹介するムービーに過ぎない」のかもしれないが、そのタイミングや見せ方(動画のクリエイティブ)ひとつでユーザーの反応も様変わりする。『スマブラ』の参戦ムービーは、ゲーム業界のマーケティング施策においてひとつの事例になったのではないかと思う。

 ちなみに、参戦ムービーは一種のネットミーム化にも発展し、YouTubeなどでは参戦ムービーの楽曲やクリエイティブを模したユニークな動画が溢れている。

 桜井氏は自身のTwitter(@Sora_Sakurai)でも制作当時を振り返り、思いを綴った。

▲「参戦!!」がおなじみになった本映像から紹介が始まる。

 『スマブラSP』は10月に最後の追加ファイターとなる「ソラ」を配信。12月には最後の調整となる更新データ(Ver.13.0.1)も配信し、ゲームは完成を迎える形となった。

 3周年という節目に制作陣からは感謝のコメントが添えられ、またユーザーの多くも国内外問わず熱い賛辞を贈っている様子。今後も『スマブラSP』が対戦ツール、そして愉快なパーティーゲームとして愛されていくことは間違いない。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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