アプリ市場データプラットフォームを提供するApp Annie Japanは、App Store(iOS)とGoogle Playにおける2021年の売上が前年比で約25%増加し、過去最高の約1,350億ドル(約15兆円)に達したことを発表した。また、ダウンロード(DL)数も前年比で8%増加し、約1,400億DLに達したことが明らかになった。
発表によると、2021年には動画共有および動画編集アプリが世界的に最も成長。オリジナルの動画コンテンツを編集・作成するユーザーが増加し、「CapCut」や「MX TakaTak」、「Moj」のDL数が最大の伸び率を示した。
消費支出を牽引したのは、YouTube、Disney+、TikTok、Twitchなどのライブストリーミングアプリおよびコンテンツストリーミングアプリ。特に、コンテンツを楽しみながらお気に入りのライブストリーマーに報酬を与えることができる、いわゆる投げ銭機能があるアプリの人気が高まっているという。
また、在宅勤務やハイブリッドなビジネスモデルが主流となる中、Zoom、Microsoft Office、Teamsなどのビジネスアプリの利用が大きく増加し、成長を牽引した。
そしてモバイルゲーム市場では、ハイパーカジュアルゲームがDL数の首位を占める結果に。『Bridge Race』や『Hair Challenge』、『Project Makeover』といったハイパーカジュアルゲームがアプリストアを席巻した。
【関連記事】
『プロジェクト・メイクオーバー』分析。パズルと着せ替えのサイクルや課金導線等は
アプリストアのセールスランキングでは『原神』と『ROBLOX』が大きな伸びをみせ、上位にランクイン。アメリカの調査会社Sensor Towerの推計にはなるが、『原神』はリリースから1年で20億ドルの大台を突破している。
【関連記事】
『原神』リリースから1年で売上20億ドル(約2,237億円)突破
傾向として、ユーザー同士のコミュニケーションが重要な『Among US』、『ポケモンユナイト』などのゲームがユーザー数を大幅に増やしている。 『ポケモンユナイト』はリリースから4ヶ月半で5,000万DLを達成(Nintendo Switch版を含む数字)し、勢いに乗っているタイトル。
【関連記事】
『ポケモンユナイト』リリースから約4ヵ月半で5,000万DL突破。プロモーション施策にも本腰を入れる
発表内で、App Annieのモバイルインサイト責任者レキシー・シドー氏は次のようにコメント。
「この時期の大きな収穫のひとつは、世界の人々がモバイルを生活に取り入れ、パンデミックに適応したことが、この時期の大きな成長を生み出した要因であると言えます。特に好調だったのが、バーチャルとリアルの両方で人と人との距離を縮めることができるカテゴリのアプリでした。」
レポートではほかにも、SNSアプリとマッチングアプリが大きく成長していることも取り上げられている。
SNSアプリを世界的に牽引したのは「TikTok」となり、「BIGO LIVE」と「Discord」がそれに続く形。また、「Likee」や「Azar」などの動画アプリが大きく成長しているという。
マッチングアプリでは、「Tinder」が全世界でトップの伸び率となった。生涯収益が10億ドル(約1,138億円)を突破したばかりの「Bumble」と、売上がつい最近2億5,000万ポンド(約375億円)を突破した「Hinge」が、それに続く結果となっている。