ゲーム開発向けAI技術に関するピッチコンテスト「AI GameDev」結果発表。mlxarの「3D建築物を自動的に生成するシステム」が最優秀賞

 スクウェア・エニックスは、同社テクノロジー推進部とヨーロッパ最大級のAI研究コンソーシアムであるCyber Valley、アイティーファームとの3社共同で、ゲーム開発向けAI技術に関するピッチコンテスト「AI GameDev」を開催し、日本時間12月2日(木)に最優秀賞を発表した。

 最優秀賞は、オーストリアのスタートアップ企業のmlxarが開発した、「AIを用いて、ゲーム業界向けの3D建築物を自動的に生成するシステム」が受賞。該当のツールでは、現在の最先端の建築設計ツールに比べ、50倍の速度で仮想構造を設計することが可能になるという。

▲mlxarを活用して作成された3D建築物

 mlxarのCEOを務めるBen James氏は、制作の経緯として「建築設計は、手作業で非効率的かつ時間のかかるプロセスです。これは、1つの建物を設計するときはもちろん、都市全体や世界を設計するときにはより大きな問題となります。」と説明。

 3Dの建築物の設計に掛かる労力の大きさはゲームや映画などの業界全体で起こっている問題とされ、その基盤を変えるテクノロジーとしてAIエンジンの開発に乗り出したようだ。メタバースの構築に乗り出す企業が増えている現在、こうした3Dの建築設計に関する技術はより大きな注目を集めていくものと考えられる。

 同社の公式サイトには「Augment your intuition with AI.」(AIで直感を補強する)という文言が表示されおり、AIの立ち位置を「デザイナーの代わりではなく、人間自身の直感や感性を補強する新しいタイプのクリエイティブツールを生み出すためのもの」としている。

 授賞式の様子は、以下の動画から確認できる(mlxarの登場は1:08:00頃から)。

 最優秀賞のmlxarは特典としてスクウェア・エニックス東京本社に招待され、技術の検証と評価を行い、協業の可能性を検討するという。なお、実施時期は未定。

 スクウェア・エニックスは、ゲームAI技術がゲームの開発効率を向上させるとともに、ゲームデザインを進化させるという考えのもと、研究・開発・実装を推進。

 同社は今後もピッチコンテストなどを通じ、AIの研究・開発が盛んな世界各国の企業との技術交流を深め、実際のプロダクションに応用できる最先端のテクノロジーの開発を推進するとともに、外部との技術提携などの可能性も検討していくとのこと。テクノロジー推進部では引き続き、ゲーム技術の最先端に立ち、コンピュータサイエンスの境界を押し広げることに尽力していく方針。

   

イベント概要

実施イベント名AI GameDev
主催Cyber Valley、株式会社アイティーファーム、株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部
開催期間募集期間…2021年8月11日(水)~10月10日(日)
選考期間…2021年11月
最優秀賞発表…2021年12月2日(木)
受賞社最優秀賞…Mlxar社
「AIを用いて、ゲーム業界向けの3D建築物を自動的に生成するシステム」

観客賞…Kinetix SAS(フランス、CEO:Yassine Tahi)
「2Dビデオから、自動的に3Dアバターのアニメーションに変換するシステム」
 
科学賞…Tübingen大学Autonomous Vision Group(ドイツ、研究者:Katja Schwarz)
「GRAF(Generative Radiance Fields)システム(2D画像から3D画像を合成するシステム)」

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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