東京地検特捜部は12月27日、スクウェア・エニックスの中裕司氏を含む元従業員2名を、インサイダー取引による金融商品取引法違反の罪で追起訴を行った。
起訴状によると、中氏はスクウェア・エニックスとエイチームが提携する『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER』(iOS / Android, 2021年)の公表前の内部情報をもとに、1億4,400万円分のエイチーム株を買い付けたとして、金融商品取引法違反の罪に問われている。また、佐崎泰介氏も1億500万円分の株を買い付けたとして、同様の罪で起訴されている。
先日(12月7日)報じた内容では、身柄を拘束する“逮捕”の段階だったが、今回取り調べを経て“追起訴”(後述する刑事事件の裁判が係属中のため)に至った。
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二人はほかにも、スクウェア・エニックスとAimingの協業タイトル『ドラゴンクエストタクト』(iOS / Android, 2020年)をめぐるインサイダー取引で逮捕・起訴されていた。
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中裕司氏は、元セガのゲームクリエイター。同社在籍時には、「ソニック」シリーズや『ナイツ』『ファンタシースターオンライン』など数々のヒット作を世に送り出してきた。2018年1月にはスクウェア・エニックスへ移籍し、ディレクターとして『バランワンダーワールド』の開発に携わった。
その後、2021年4月末をもってスクウェア・エニックスを退職。しかし、同月末のTwitterの投稿において、『バランワンダーワールド』発売の約半年前にディレクターを解任されていたことや、本件に関しての発信を禁じる業務命令の失効の確認を求める訴訟を、スクウェア・エニックスを相手に提起していた。