
Supercellは2月15日、同社の公式ブログにおいて今後の方針を示す記事を公開した。CEOのIlkka Paananen氏によって、既存タイトルの売上や新作タイトルの開発について語られている。
ブログによると、同社は現在カナダでクローズドベータテスト(CBT)を実施している『Squad Busters』を含む、新作タイトル5本を開発中だという。詳細については明かされていない。
なお『Squad Busters』は、同社のIPである『ヘイ・デイ』、『ブーム・ビーチ』、『クラッシュ・オブ・クラン』、『ブロスタ』などのキャラクターが登場し、スクワッド(分隊)を組んで育成するアクションゲーム。開発は初期段階にあるとのことだ(関連記事)。

また、Supercellはリリースするタイトルのクオリティについて厳しい基準を設けていることで知られるが、Paananen氏は2018年の『ブロスタ』以降、ヒット作を生み出せていない(グローバルでのリリース作がない)状況であることにも触れている。現在、グローバルで展開する5タイトルに対して、これまでに取り潰したプロジェクトは30を超えているという。2016年には14本のプロジェクト中止が報告されていたことから、6年の間に少なくとも16本のプロジェクトが中止となったようだ。
2022年だけでも、一部地域でベータ版がリリースされていた『クラッシュ・クエスト』(関連記事)や『Everdale』(関連記事)の開発が打ち切られていた。なお、Space Ape とのIPコラボ作品『Boom Beach: Frontlines』もサービスが終了している(関連記事)。
一方で、リリースから10周年を迎えた『クラッシュ・オブ・クラン』の生涯収益は100億ドルに達し、『ヘイ・デイ』は20億ドルを突破。
全体の業績としては、売上高が17億7,000万ユーロで前年比6%減、EBITDA(償却前営業利益)が6億3,200万ユーロで前年度比14%減となった。営業利益が減少している理由については、将来への投資が増加したと説明。そのほか、ロシアとベラルーシでのサービス提供停止なども影響した。
昨年12月に北米スタジオを新設したSupercellは今後、モバイルゲーム以外の分野にも進出する方針。また3つの社内スタジオ (ヘルシンキ、米国、上海) に加えて、外部企業15社への投資も行う。そして、若い人材の採用を進めることで、チームの多様性を高めていくとしている。